ヤラセ疑惑に未払いも? 問題まみれのテレビ業界、新型コロナで“下請けに頼りっぱなし”がバレて猛省
#テレビ
東京など首都圏の1都3県と北海道を含む全国で緊急事態宣言が解除され、人々は少しずつ元の生活に戻っていきそうだ。しかし、コロナ禍が直撃したテレビ業界では、従来のような番組作りの体制に疑問の声も出ているという。
新型コロナウイルス感染予防のため、新規の撮影やロケができなかった各局は、バラエティ番組ではリモート出演や総集編・傑作選、ドラマは過去の人気作を再放送するなどして、なんとか急場を凌いできた。
「再放送や傑作選として使用する素材は、基本的には1年以内のものという内部規律を持っている局が多く、特にバラエティ番組では何か特定のジャンルに絞るなど構成をしっかり組み立てないと、過去の素材で番組を作ることには限界がありました。秋にはこのストックも切れるため途方に暮れていたのですが、緊急事態宣言の解除でなんとか現場を動かせそうで、ホッとしていますよ……」(民放関係者)
今後は、感染予防に細心の注意を払い、「最小限の人数での収録方法を模索しながら、なんとか番組を作っていく方針」とのことだが、新型コロナウイルス騒動のドタバタによって露見した問題も多かったようだ。
「民放各局では、下請けの制作会社に頼りきっており、社内の人員では番組制作を完結できないシステムが完成してしまっています。花形の報道番組ですら、外部の制作会社スタッフが半数以上入り込んで、日々の取材や編集を行っています。
バラエティは制作会社が丸ごと作っている番組も多いのですが、5月以降は総集編や傑作選に切り替わり、新規のロケはなかったので、局から制作会社に支払われる委託費はゼロ。そのため、このまま行けば6月頃には売り上げが立たなくなる制作会社が続出し、夏頃には軒並み倒産してしまうのではと危ぶまれていたんです。制作会社が倒れてしまえば、たとえ新型コロナウイルス騒動が落ち着いても、番組の制作が立ち行かなくなるため、プロデューサーたちも頭を抱えていたんです」(前出の民放関係者)
緊急事態宣言の解除によって最悪の事態はなんとか免れそうではあるが、第2波の懸念もあり、状況はまたいつ変わるか分からない。局内でも、下請けに“頼りっぱなし”という危うい体質には疑問が噴出しているという。
「バラエティでは、凝った編集や地方の大変なロケは制作会社に頼りきっていて、社内の人員だけでは、これまでのようなクオリティの番組は到底作れません。それなのに、局側は今年度の広告収入が激減することを理由に制作会社を救済するような動きもなかったので、呆れました。コロナ禍を機に、自分たちの番組作りを見直さなければいけない、という意見も出ています」(同)
番組制作能力の低下を嘆く関係者もいるが、5月19日放送の情報番組『バイキング』(フジテレビ系)では、週末の原宿・竹下通りの様子として流された“人混み”の映像が「3月のものではないか」とネットで指摘され炎上。番組側は「ミスだった」と訂正・謝罪をしたが、ヤラセ疑惑も囁かれている。もし単なる“ミス”だったなら、局内の気の緩みに対して批判が起こってもおかしくない。
さらに、ある放送作家からはこんな苦情も。
「ずっと収録がなかったわけで、局員たちはコロナ収束後を見据えた新規の企画を練るくらいしか仕事がなく、暇を持て余していたようでしたよ。ただし、企画力がないのでこっちに丸投げ。しかも、カネは払わず企画案はほぼ持ち逃げの状態なので、本当にいい迷惑でした」
新型コロナウイルス以後のテレビ番組は、どのように変わっていくのだろうか。
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