リアル記憶喪失は複雑で壮絶！　実録マンガ『交通事故で頭を強打したらどうなるか？』

コールセンターで覚醒！

　こんな感じで、ムカつくクレーマーに対して、感情が制御不能になってしまいそうなところを、自分の拳で足をガンガン殴って抑制。冷静さを取り戻すすべを身につけます。そして……

　見てください、この神対応。完璧すぎるクレーム対応ですよね。脳に障害が残っても、努力次第でこんなに完璧に仕事をこなせるようになるのです。

　そして、脳挫傷から4,000日以上が経過し、自らに課した目標である銀行残高800万円超えを達成。

　この800万円とは、ハジメさんが障害等級8級を認定され、国から給付された金額。この800万円と同等の金額を自分で稼ぎ出すことができれば、自分の中で健常者並みに回復したと自信が持てる、そういう目標額だったのです。なんという意識の高さ！　むしろ普通の人はこんなに意識高く頑張れないですよね。

　というわけで、高次脳機能障害である脳挫傷になってから、血のにじむようなリハビリで見事に回復した大和ハジメさんの貴重な体験を描いた実録マンガ『交通事故で頭を強打したらどうなるか？』を紹介しました。ちょっとした好奇心で読み始めましたが、あまりの壮絶な体験談に、いつの間にか引き込まれてしまうすごいパワーを持った作品でした。やっぱり一度記憶喪失になると、マンガの世界のように都合よく記憶が戻ったりしないんだな……。

じゃまおくん　（マンガコラムニスト）

懐かしのマンガやB級マンガのレビューサイト「BLACK徒然草」管理人。著書に『なんだ!?このマンガは!?』『このマンガ恐るべし...!!』（彩図社）がある。

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