中国でコロナ離婚が急増中! 離婚手続き予約は1カ月先までいっぱいに……
#中国
新型コロナウイルスは、夫婦仲もむしばむようだ。
感染拡大防止のため、世界的に外出自粛やリモートワークが推進されているが、家にずっといることで夫婦間に不和が生じたり、家庭内暴力増加が社会問題となりつつある。アフターコロナには「コロナ離婚」が急増するのではないかとの危惧もある。
実際、新型コロナの発生源であり、現在は沈静化したとされている中国では、すでにコロナ離婚が急増していた。
香港メディア「東網」(5月17日付)によると、広東省深セン市ではこのところ離婚ブームが発生しており、離婚手続きを行う役所では1カ月先まで予約が埋まっているという。
深センではここ数年、離婚件数は婚姻件数の3分の1を超えることはなかったが、今年4月に限っては、婚姻件数の84%にまで増加しているという。
さらに、同市の中心部・羅湖区民政局の発表によると、同区の今年4月の婚姻手続きが420組であるのに対し、離婚手続きは455組と、婚姻より離婚のほうが多くなっている。これは、もともと2~3月の間に離婚手続きを行おうとしていた夫婦が、外出制限が出ていたためにそれを延期せざるを得ず、外出制限が緩和された4月になって一気に手続きを進めようとしたのも一因とされている。
そしてもうひとつの原因が、パンデミックの影響で夫婦関係が破綻した末の離婚だ。中には、家で常に顔を合わせているうちに夫の言動に不信感を抱き始め、携帯電話をこっそり見たところ、10年以上も浮気を続けていたことがわかり、離婚した夫婦もいたという。
ただ、これらの離婚件数の中には、夫婦関係の破綻による離婚だけでなく、「戦略的離婚」が多く含まれているという指摘もある。中国では不動産の購入が世帯ごとに制限されているため、それを避けるためにとなって新たな投資用不動産を購入したり、片親家庭への優遇措置を受けるために離婚したりする夫婦は以前から存在している。
「戦略的離婚」は中国特有の事象だが、コロナ離婚の増加は、今後、ほかの国でもみられるようになるだろう。感染拡大防止のためのソーシャルディスタンスが、家庭内のディスタンスを広げる結果になってしまっては、皮肉と言うほかない。
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