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週刊誌スクープ大賞

「検察庁法改正案」を慌てて取り下げた安倍政権、ここでも安倍晋三の地盤沈下が露呈か

 新型コロナウイルス肺炎というのは、ひどい苦しみがあるといわれる。世界的な臓器移植の権威である加藤友朗コロンビア大医学部外科教授が、自身が感染した時の恐怖体験を語っている。

 強烈な筋肉痛と倦怠感、38度5分の熱が出て、PCR検査を受け陽性と判明したのが3月19日。初めは自宅待機だったが、シャワーを浴びている時に呼吸ができなくなりICUへ。その後容態が悪化しエクモを使用したそうだ。

 6日間意識不明になり、今もまともに歩けずリハビリ中で、もしまた重症化したらという恐怖があるという。

 日本ではコロナに加えて、このところ頻発している首都圏地震が心配だ。フライデーで、東海大学海洋研究所で地震予知・火山津波研究部門長を務める長尾年恭教授が、「最近、関東で増えている震度4以上の地震は『首都直下地震』の前兆かもしれません。時期は断言できませんが、関東の地盤で異変が起きており、いつ巨大地震がおきてもおかしくはありません」と不気味な予言をしている。

 東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授は、東京千代田区を中心に半径約100kmの地域で起きたM5以上の地震の数を調べているが、普通は年平均3.1回なのが、3・11以降から昨年までだと5.2回、今年はこの上旬だけですでに5回も起きているという。コロナに地震か。また夜眠れないな。

 以前にも書いたが「アベノウイルス」は感染力が強い。自粛していても三密にならなくても、安倍首相と話をしただけで移る。感染したら最後、思考力が破壊されていく。

 そうとでも考えなければ、コロナ感染拡大で、日本社会が崩壊するかもしれないというときに、「幹部ポストを退く『役職定年』の年齢を過ぎても政府の判断で検察幹部にとどまれるようにする検察庁法改正案」(朝日新聞5月12日付)を強行採決しようなどという“愚行”を理解できはしない。

 ところで、今年1月、定年退職するはずだった黒川弘務東京高検検事長の定年延長を閣議決定し、この7月に勇退するはずの稲田伸夫検事総長の後釜に据えようと安倍官邸は目論んでいる。

 文春で、相澤冬樹が、黒川と赤木俊夫夫婦には深い因縁があると追及している。黒川が検事長になる前は法務省の事務次官だったが、その時の最重要案件が「森友事件」であった。

 告発を受けて大阪地検特捜部が捜査を進めていた。特捜部は起訴へ向けてやる気があると、NHK大阪報道部の記者だった相澤は感じていた。

 ところが、東京からは「不起訴」だという情報が流れてくる。出所は黒川がいる法務省からだった。そして赤木が自殺してから2か月後に、佐川宣寿元理財局長を含めた関係者38人全員が不起訴となるのである。黒川が「官邸の守護神」といわれる所以だ。

 安倍首相は何が何でも黒川を検事総長にしないと、自分の身が危うい。そこで、コロナのどさくさで、公務員の定年延長という大義名分の中に、「内閣が認めた場合の役職延長」という一項を入れ込んで、成立させようと焦っているのである。

 堀田力元東京地検特捜部検事は朝日新聞(5月14日付)で、不当な定年延長を受け入れた黒川も、それを認めた稲田も、「検察への国民の信頼を損なった責任がある」から、自ら辞職せよと迫っている。

 検察内部にも、安倍官邸に対するものすごい反発があることが、次の報道で見て取れる。

 東京新聞(5月13日付)は、「検察当局が、案里氏の夫の克行前法相(57)=自民、衆院広島3区=が票の取りまとめを依頼する趣旨で地元議員らに現金を渡した疑いがあるとして、克行氏を公選法違反(買収)容疑で立件する方針を固めた」と報じた。

 参院選前、1億5000万円という巨額な資金が安倍の指示で河井案里側に振り込まれていた。そのカネが票を買うために使われたのである。もし、国会会期中に現職議員が逮捕されることにでもなれば、安倍辞任は必至である。

 そうなれば、ようやく「アベノウイルス」の感染拡大も止まり、少しはましな政治を取り戻せるかもしれない。

 検察庁法改正案は、世の中の批判の激しさに、安倍は慌てて取り下げた。以前なら、このようなことがあっても、絶対取り下げずに押し切ったであろうが、ここでも、安倍の力の地盤沈下が見て取れる。

 石破茂は私に、安倍という男は、弱みを見せると負けるという被害者意識のようなものがあり、特に身内が批判されるとむきになって反撃してくるといっていた。

 だが、今回、負けを認めたのは、安倍にもはや、その力も、気力も、残っていないからであろう。

 みじめに崩れ落ちる安倍の姿が目に見える。終わったな。

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