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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > コロナ禍の宅配に置き配バッグ「OKIPPA」

「在宅でも荷物が受け取れない」はあるある!コロナ禍の宅配事情にドンピシャな置き配バッグ「OKIPPA」のスゴいサービスって!?

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの生活様式は大きく変わっている。不要不急の外出を控えるため、ECサイトやデリバリーを頻ぱんに使うようになった、という人も多いはず。しかし、対面での荷物の受け取りはなにかと大変でストレスもある。

 そこで話題を呼んでいるのが、コロナ禍で宅配便に関わる人々の悩みを一気に解決する置き配バッグOKIPPAだ。

 OKIPPAは、再配達のストレスから解放され、さらには荷物の安全も確保できるという便利すぎる置き配サービスだというが、いったいどんなにスゴい“バッグ”なのか!? Yper代表取締役・内山智晴氏に話を聞いてみた。

「再配達頼まなきゃ…」のストレスを解消! ただの“エコバッグ”ではないセキュリティ対策も

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OKIPPAのバッグを手にする内山氏(※取材はオンラインで行いました)

――「OKIPPA」とは、どのようなサービスなのでしょうか?

内山智晴氏(以下、内山):使用方法はごく簡単です。手のひらサイズに折りたためる専用バッグをユーザーが玄関先に吊り下げておくと、配送員さんがバッグに荷物を届けてくれます。
 バッグ本体は広げると2リットルの水が18本入る大きさで、日用品の受け取りに利用されるユーザーさんが多いですね。完全防水ではありませんが、撥水加工の素材と止水ファスナーがついているので、玄関先に簡易的な宅配ボックスが設置できる感覚です。

――配送員さんに会わなくても荷物が受け取れるんですね。宅配ボックスのないマンションに住んでいるので、寝起きでパジャマにスッピンの時や、シャワーを浴びたてでタオル姿の時にチャイムが鳴ってしまい、ついつい居留守を使ってしまったことがありました……。

内山:たとえ自宅にいても、荷物を受け取りに玄関先に出ることが難しい場合もありますよね。家事や子育て中で手が離せなかったり、ちょうどリモート会議中に荷物が届いたりして、受け取り損ねてしまったというユーザーさんの話も聞きました。
 現在、OKIPPAの利用者は10万人を超えていて、都市部の共働き世帯のニーズが多くを占めています。再配達の増加は社会問題になっていますが、ユーザー側も止むを得ない事情で荷物を受け取れないこともあり、再配達は双方にとって大きなストレスになっているんです。

――たしかに、私も再配達してもらう時は、配送員さんにものすごく申し訳ない気持ちになります……。

内山:さらに今回の新型コロナウイルスの影響で、非対面での受け取りを希望する単身の高齢者やその家族など、利用者層が広がったのはたしかですね。

 また、ECサイト大手のAmazonが、配達方法を大きく変えたのもOKIPPAの利用者を広げるきっかけになりました。現在、Amazonでは配送方法の指定がない限り荷物が置き配(一部対地域のみ、対象エリアは順次拡大)されるようになっていますが、玄関先に荷物を置かれることに不安を感じた方がOKIPPAを利用いただくケースも多いようです。

――なかなか対面で荷物を受け取りづらいけれど、玄関先にポンと荷物を置かれることにもちょっと抵抗がある。そんな時、OKIPPAはちょうど良さそうですね。ただ……失礼ながら、OKIPPAはよくある布の“エコバッグ”のように見えるのですが。セキュリティ面ではどんな対策がされているのですか?

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OKIPPAの荷物を守るシリンダー式の南京錠

内山:OKIPPAはこう見えて、二重のロックがかかります。まず、バッグ本体は、玄関口に専用ロックを固定して盗難防止ワイヤーをつなげます。また、荷物を出し入れするチャックの部分にはシリンダー式の南京錠がついていて、南京錠を開けた状態にしておくと、配送員さんが荷物を袋にいれたあとにカギを閉めてくれます。
 それでも不安な場合は、OKIPPA専用アプリのプレミアムプランに登録していただくと「置き配保険(盗難補償)」に(月100円/補償上限3万円)も加入できます。

 アメリカはEC利用率が高く、宅配ボックスの文化も浸透していますが、治安を考慮して大きくて頑丈なボックスが主流です。ただ、日本の集合住宅の環境では大きな宅配ボックスを共用の廊下に置くことは困難なので、折り畳める形状にすることにこだわりました。日本の治安の良さがなければ、バッグでのサービス展開は難しかったかもしれません。現時点では、盗難の被害に遭ったという事実や、保険が適用されたという事例はありません。

――新型コロナウイルスの騒動でOKIPPAの利便性が注目を集めていますが、サービスをスタートしたのは2年前だったとか?

内山:2017年12月にYPer株式会社を立ち上げ、9カ月後の2018年9月にOKIPPAの販売を開始しました。起業した2017年頃は、ちょうど宅配便の再配達による現場の負担が社会問題になり始めていた時期でもあったので、スタートアップ企業として再配達という課題に取り組みたいと考えたのがOKIPPAの原点です。
 現場を知るために、僕は配送員のアルバイトも経験したのですが、再配達による配送員の負担は想像以上に大きく、解決の重要性を感じました。現場の負担軽減とユーザーの利便性を両立させるものとして、置き配バッグを考案したんです。

 当時、プロトタイプの置き配バッグを持って複数の配送業社を回ったのですが、先方の反応は芳しくありませんでした(笑)。「盗難されて終わりだよね」なんて言われてしまったり、懐疑的な意見が多かったですね。そこで、まずはユーザーの声を聞いてもらおうと思い、クラウドファンディングサイトMakuakeでOKIPPAのプロジェクトを立ち上げたんです。

――クラウドファンディングの反応はどのようなものでしたか?

内山:幸いにも反響が大きくて、1800人以上の方にご購入いただきプロジェクトは大成功でした。この数字によって、ユーザー側も再配達問題の解決に歩み寄ろうとしていることが、配送業界に伝わったと思います。業界内でも注目され、国交省と経産省が主催する「置き配検討会」に呼んでいただくきっかけとなり、日本郵便様や楽天様との協業もスタートしました。
 ECサイトや通販の利用率は年々高まり、Amazonさんが置き配をスタートしたことなど、時代の転換期にOKIPPAがうまくマッチするカタチになりました。

――時代がOKIPPAに追いついたんですね。

内山:現在、Rakuten EXPRESSのサイトで商品を購入した方が配送方法を選ぶ際に「OKIPPA指定」ができるようになっています。我々は、これをOKIPPA便と呼んでいるのですが、OKIPPA便がECサイト上で選択肢のひとつになれたのは、大きな一歩だと感じています。

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話題の楽天モデルのOKIPPAバッグを手に

――OKIPPAと楽天がコラボしたモデルのバッグを拝見したのですが、赤字に白いロゴのデザインがちょっぴり「Supreme」に似ていて、使ってみたいなと思いました(笑)。SNSでも「オシャレだ」と話題になっているようですよ。

内山:そんな声もあるようで驚きました(笑)。6月19日まで、楽天オリジナルのOKIPPAが抽選で1万名に当たるキャンペーン行なっているので、ぜひご応募してください!
 
 再配達問題を解決するカギは、貴重品は対面で受け取り、日用品はOKIPPA指定などユーザーが受け取る方法を選択できる環境にあると考えています。今後も、OKIPPAをより多くの人に使っていただけるよう広めていきたいです。

(取材・文=真島加代/清談社)

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最終更新:2020/05/28 11:47
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