『フリースタイルダンジョン』いとうせいこうが選ぶ名バトルで振り返る番組史 MC漢のバトルは選外?
#R-指定 #Zeebra #フリースタイルダンジョン #日本語ラップ #晋平太
初代ラスボス・般若が限界点まで作り上げたヒリヒリ感
せいこうが2つ目に挙げたバトルは、1st seasonのRec2で行われた般若(はんにゃ)vs焚巻(たくまき)。当然のランクインである。このバトルを動画サイトで見て、フリースタイルのファンになった人も多いはずだ。
ぶっちゃけ言ってしまうと、般若にラップのうまさを求めている人はあまりいないと思う。彼のヤバさはバイブスにある。オーディエンスがフリースタイルバトルに欲するヒリヒリ感を、般若は限界点まで作り上げる。彼の狂気が会場を巻き込むのだ。
また、焚巻がラスボスへ到達する前に出場したチャレンジャー・CHICO CARLITO(ちこ・かりーと)も印象深かった。モンスターを3人抜きしたCHICOを迎え撃つべく初登場したのがR-指定(あーる・してい)だ。R-指定 vs CHICO CARLITOは『アメトーーク!』(テレビ朝日系)のラップ大好き芸人企画でも紹介された名勝負。R-指定のピリついた表情がなんとも魅力的だし、「こいつはレベルが違う」と視聴者に一瞬でわからせた、Rの名刺代わりの一戦でもあった。振り返ると、1st seasonのRec2はとりわけ神がかっていた印象。
せいこうが3つ目に挙げたバトルは、2nd seasonのRec1で行われた般若 vs 崇勲(すうくん)。般若2度目の出撃となった一戦だ。般若の「刺身 醤油」というインパクト大のカオスなライムも印象深いが、崇勲からしたら惜しいバトルだった。攻勢だったのに、般若を前に緊張から言葉が詰まってしまい、あとちょっとでダンジョン攻略ならず! あそこでかまなければ、崇勲は恐らくダンジョンを制覇していたと思う。
言い換えると、そこが般若の恐ろしさ。般若のバイブスにチャレンジャーが巻き込まれ、熱くなり、スタイルを崩して抜き身でぶつからざるを得なくなる。あと、このバトルの直後に般若が突如としてKREVA(くれば)へ宣戦布告したのも大ニュースだった。
ちなみに、この日流れたライブ映像は崇勲の未公開パフォーマンス。メチャメチャいい声だし、メチャメチャいい曲。崇勲には言葉にできない魅力がある。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事