空気階段、伝説の「クローゼット」ネタを生んだ “不倫を許せない”水川かたまりのピュアさの正体
#インタビュー #お笑い芸人 #空気階段 #ゾフィー上田 #水川かたまり #お笑いの日
「クローゼット」ネタはこうして生まれた!
――コントの0から1はどうやって作るんですか?
水川 集めるものを決めているんですよ。ケータイに「種」というメモの枠があって、今日笑ったことに関する人、場所、職業の情報を全部箇条書きにするんです。そのメモを喫茶店でバーッと見て、「これは何が面白いんだろう?」で抽象化していって、その面白い要素を「逆転」とか「拡大」とか、発想の型に当てはめていくのがベースですね。その方法も本で読んだやつで。でも正直、パンッと思いついたやつのほうがウケるというジレンマはあります。
上田 あれはタチ悪いよな~。
水川 悪いです。マジムカつきます。
上田 考えて考えて「もうダメだ」であきらめて家帰って、ワケわからないCM見て「何だこれ?」と思ったとき、頭の中でパチパチつながったほうが面白かったりする。
水川 めっちゃあります、それ。しんどいときに思いついてほしいのに。
上田 黒板に数式書きまくっても全然面白くなくて、いきなり答えが出るというか。式は結局その後付けみたいに見えるんだよね。自分なりに見えてきた法則通り作れば、効率よくそれなりのものはできるんだけど……。
――そこで数式を書きまくる作業はやめないんですか?
水川 やめてると思いつかないんですよ。「キングオブコント」に落ちてふられた後、何もしたくなくて、2カ月ぐらい考えることをやめたら、何もひらめきませんでした。しばらく勘が戻りませんでしたね。
上田 「3時間この作業したらコントが1個できる」みたいな法則があればいいんだよな~。1カ月考えてゼロだったとき絶望するじゃない? じゃあ開き直ろうかというタイミングでできるのかと思ったら、そうでもないし……。さっき喫茶店でふたりで話して出た結論は「運」だったよね。ゴニャゴニャ考えることがアンテナの精度を上げていると信じて、ひたすら畑を耕すしかない。
水川 上田さんは、ずっとひとりで作ってるんですか? 台本できるまで斉藤さん(ゾフィー・サイトウナオキ)には会わない?
上田 会わない。余計なこと考えて欲しくないから途中経過は内緒(笑)。まずは使えそうな設定――本当に面白いコントの軸って1行でまとまるので――そのアイディアを、作家のポテンシャル聡に伝えてます。で、ウケたらふたりで話をふくらませて、書いて、完成したものを斉藤さんに渡している。かたまり君は?
水川 アイディアはもぐらとしゃべります。僕として「これいいぞ」というのもあるけど、もぐらが「いや、こっちがいい」でふくらむネタもあるんで。もぐらもアイディア持ってきますし、しゃべる中で変わるのもありますね。
――突然頭に降ってきたコントと粘り勝ちでできたコント、具体的に何がありますか?
水川 どちらかというと、単独でやったコントのほうが唸っている感じですかねえ。
上田さんに褒めてもらった「電車のおじさん」と「クローゼット」はパッとできました。「電車のおじさん」は、その前にアンガーマネージメント教室の映像を見て、「穏やかな人の怒り方が面白いな」というのが頭の片隅にあったんですよ。「そういう人って電車によくいるよなー」「そいつが学生の恋路を斡旋したら面白いなー」という部分を思いついて、「あ、いける!」と。
上田 展開が見えたんだね。
上田 「クローゼット」は相席スタートさんのコント見ていたら、浮気相手の女性をクローゼットに押し込めるみたいな場面があって、そこから“異世界に通じるナルニア国”を連想したんです。その前に、もぐらが演じるピンク服の男のコントをやっていたので、「あいつが出て来たらいいかな」「浮気したヤツに罰を与えるか」でパッパッとできたコントです。
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