空気階段、伝説の「クローゼット」ネタを生んだ “不倫を許せない”水川かたまりのピュアさの正体
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夜にネタを書くと人が死ぬ……?
――空気階段はこれまでで、方向性を変えたことってあります?
水川 2年目か3年目のころ、誰がやっても面白い台本作りを目標にしてたんですよ。そんなときに、自殺しようとしているやつのところに、汚いオジサンが現れて「自殺するなら戸籍くれよ」っていうネタができたんです。
上田 すごいネタだな(笑)。誰が笑うんだ?
水川 それを舞台でやったとき、もぐらが演じてきた“オッサン”のウケ方が今までと違う気がして、もう一本そのキャラでいこうと、「多重人格」のネタを作ったんです。それが芯食ってウケた感覚だったんですよ。それまで面白いセリフがあって現象として面白ければいいと思ってたのが、そこから登場人物を深堀りするようになっていきました。このキャラはどこの生まれで何が好きだから、こういうしゃべり方でこういうボケが出てくる……と考えるようになったんです。
上田 キャラからネタを作ることってある?
水川 何本かあります。でも少ないです。だいたい設定を決めてから、キャラを考えていきますね。
上田 かたまり君の作り方、興味あるんだよね。自分と近い感じがする。前に渋谷のデパートでバッタリ会ったときに言ってたのが、「午前中に喫茶店行って、本屋で頭ほぐして、また喫茶店行こうと思ってるんです」。それが全く自分と同じ経路だったんだよ。俺も朝書く派なんで、珍しいと思って。
水川 芸人は深夜のファミレスとか、夜中に書くのが多いですもんね。上田さんはなんで朝に至ったんですか?
上田 調べたら朝派のクリエーターが多かったから。ピカソも朝、村上春樹も朝。それでたどりついた。
水川 僕も同じです! 効率よくやりたいと思って、その時期、「朝 創造」で検索してました。限られた時間のなかでいかに面白いものを生み出すか考えて、そこから派生して睡眠や食事の方法も試してみたりして……。
――夜に書くとダメですか?
水川 夜にコント書くと、無作為に人が死ぬんですよ。朝書いてると「死んじゃダメだ!」と思うんですけど。
上田 夜中に殺したキャラを朝に蘇生させる……。だったら朝書いたほうがいいよね(笑)。
水川 午前は0から1を作って、午後は1をふくらまして、夕方以降はインプットに充てる、とか決めてる時期もありました。で、それを相方にも強要しちゃうんですよ。もぐらは、遅刻したり朝から酒臭かったりする人間だったんで。でも、それはよくないなと思って、今はある程度緩和しました。自分のルーティーンは決めておきたいですけど、多少ラフになった今が一番いいような気もします。
上田 全く一緒だわ。ルーティーンもそうだし、相方が遅刻癖あって酒臭いというのも。俺もきっちり作りたくて、茂木健一郎さんの「起きてすぐ行動したほうがいい」という文章を読んで、それも試した。ムリだったけど。
水川 わかります。アインシュタインが「風呂やトイレでアイディアが降ってくる」と書いてたのに影響を受けて、僕は風呂場にメモ置いてました。だけど、一個も思いつかなかったです。
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