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日刊サイゾー トップ  > 空気階段、水川のピュアさの正体
ゾフィー上田の「コントに首ったけ」【2】

空気階段、伝説の「クローゼット」ネタを生んだ “不倫を許せない”水川かたまりのピュアさの正体

キャッチーさを求めるあまり改名?

――実際空気階段さんは、ビジュアルで敬遠されてました?

水川 「∞ホール」に来るのは若いお客さん多いんで、悲鳴があがる確率は高かったです。今振り返っても「ここではあがらないだろう」というところで、あがってましたね。両者に対して。

上田 でもそれは、説得力がすごいということだよ。俺が好きな「取り立て」のコントは、知らない人が見たらもぐら君を本当に借金取りだと思って、その世界に入り込みすぎる人がいるかもしれない。コメディの滑り出しじゃないよね。ちゃんとしたドラマのように始まって、その後に落差が生まれる……でも途中から可愛いところも出てくるんだよ、もぐら君が後ろ向いて椅子直しているお尻の感じとか。それもギャップ萌えなんだよねえ。

水川 そこの可愛さやキャッチーさは一時期、「足りてないな」と思っていて僕、本気で可愛い女性を空気階段に入れようと考えてたんですよ。

上田 そうなの?

水川 あとコンビ名が重いから、新しい名前も考えてました。そのとき、ふたりで「いいな」となったのが、「ヒコク」で(笑)。

上田 全然可愛くないし、むしろ怖いよ!

 あと、好きなのがもぐら君が刑事の「聞き込み」。かたまり君演じるヤツは何かやってるな……と思ったら、やっぱりやっている。

水川 裏返さずにそのままいくパターンですね。

上田 テンション上げていく様子がよくて、ストーカーって本当にこうなんだろうな~と思うし、ちゃんとストーカーに見えるんだよね。かたまり君のオーラがないと成立しないというか。

水川 この原案はもぐらが持ってきたやつで、僕が気持ち悪い役はもぐら発信が多いんです。自分がほかのひとからどう見られているかは、分からないですよね。

上田 しかも端々にかたまり君のピュアさが出てくるから、全体としてはハッピーエンドでしょ。これがそいつの中身も腐ってたら、人殺していたというオチになるんだろうけど。

――コントを考えたはいいけど、演じるのはきびしいということはありますか。

水川 ありますね。僕ら、学生ふたりや女性ふたりはできないんで。

上田 俺らも同級生の設定だと、ひとりがオジサンすぎるんで難しいです。どうしてもというときは、昔風の不良ならギリいけるかなと。あと自分でいうとホストかな。都会に憧れて上京して、裏でゲロ吐きまくっているホストはできても、ナンバーワンホストはこの見た目でウソになるから。設定の段階でホストクラブという発想がないよね。

水川 もぐらがヒゲで太ってる縛りがあるんでできないこと増えますけど、逆にできるところの強度が上がるとも思っているんです。刑事にしても説得力が違う気がして。

上田 お客さんからしたら小さな違いかもしれないけど、芸人からすると腹抱えて笑うかどうかはそこが大事なんだよね。「本当にそう見える!」と感じたときに爆笑する。

水川 見た目はいけそうでも、自分の思想とあってないこともありますよね。

上田 うん。好きなものはできるけど、嫌いなものはできないことがある。かたまり君、ストーカー好きでしょ?

水川 好きじゃないです(笑)。でもどこかで共感できる部分はあるかもしれません。演じて違和感あるものは、やらないですね。ウケませんし。

上田 そうだよね。「こいつがこう叫ぶのはわかるな」と共感しながら演じるというか。全く理解できないヤツのことを言ってたら、フレーズとしては面白くても、ちゃんとスベる。

水川 「言わされている」感が出るんでしょうね。

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