外出自粛下で“発見されない孤独死”が増加中!? 夏場に特殊清掃崩壊危機も……
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の1カ月延長が決まったが、外出自粛下で新たな社会問題が表面化している。それが、孤独死の発見の遅れだ。
「ゴールデンウイーク直前のある日、5~6人の警察官が、うちのアパートの階下の部屋に、数時間にわたって出たり入ったりしていました。“殺人事件が起きたのでは?”というウワサも流れたのですが、そこにひとりで住んでいた70代の男性が孤独死していたんだとか。遺体は死後10日ほどたっており、腐乱していて、異臭に気づいた隣人が通報したようです」
そう話すのは、関東在住の50代男性だ。
一時は、新型コロナ感染者だったのではと近所でも心配されたというが、のちにその可能性は否定された。
しかし、この男性は「パンデミックさえなければ、彼は腐乱死体とならずに済んだのではないか?」と話す。
「亡くなられた方とは私もよく顔を合わせていて、挨拶する程度の仲でした。彼が近所の人と立ち話しているのもよく目にしました。平常時なら、姿を見せなくなった時点で、誰かが不審に思ったはず。しかし、外出自粛のせいで、人と会わないのが普通になってしまっていた。週1回の、民生委員による独居高齢者宅の見回りも、感染防止のために中断されていたようです」(同)
孤独死現場の清掃業務も請け負う、都内業者に勤務する30代男性も明かす。
「確かに外出自粛のせいで、通常より時間がたって孤独死が発覚するケースが増えていると実感します。さらに、新型コロナウイルスへの警戒心から、孤独死現場の清掃業務を断っている同業者も多いみたいで、たらい回しになることもあるようです。にもかかわらず、不思議なことに、うちに回ってくる孤独死現場の案件は、例年比で2割ほど少なくなっている。孤独死が一定割合で発生すると考えれば、外出自粛によって、孤独死が発見されないまま放置されている可能性がある。今後気温が上昇してくると、異臭を放ち始めた遺体が大量に発見されることもあり得ます。そうなれば、医療崩壊や葬儀崩壊同様、特殊清掃崩壊が起きるのではないかと心配しています」
警視庁によると、3月中旬から4月中旬までの間に全国で発見された変死体のうち11体がコロナに感染していたというが、コロナに限らず、独居高齢者の孤独死リスクは今後、確実に増大していくものとみられる。民生委員の見回りに代わる、なんらかの支援策が早急に必要だろう。
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