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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > ビヨンセを見て免疫をあげる
ライター・辰巳JUNK推薦

ウイルスから世界を守るロック様の勇姿、ビヨンセの豪勢なコーチェラ公演…etc.【自粛中だから見たい景気がいい映画】

【トラベル】ネトフリ最大ヒット!『マーダー・ミステリー』

『マーダー・ミステリー』 『クレイジー・リッチ!』共にNetflix

 現実逃避として強力なのがバカンス映画。Netflixオリジナル『マーダー・ミステリー』は同サービス史上最大の人気を記録した作品だ。再生ボタンさえ押せば、大ヒットの理由は理解できる。

 主人公は倦怠期の中年夫婦。奮発してヨーロッパ旅行に向かったら、ひょんなことからワケありな大金持ち一族の豪華クルーズに招待され、そこで遺産相続について発表した家長が殺される事件が起き……といった風に、アガサ・クリスティや『名探偵コナン』でお馴染みの王道ミステリである。コメディ調なので重くならないし、地中海やF1モナコグランプリ、イタリアのコモ湖といった景色を見るだけで贅沢だ。恋愛やカーチェイスまで展開されるバラエティパックぶりながら、全体1時間30分台。コンパクトに楽しめる映画として抜群のパフォーマンスになっている。

 随一の「景気のよさ」を誇るトラベルものとしては、アメリカで大ヒットしたロマコメ『クレイジー・リッチ!』もある。婚約者の実家に向かう途中で、彼がシンガポールの超富裕層だと発覚……! というところから始まる『花より男子』的なとっつきやすさであると同時に、豪邸から島まで、リッチライフのまばゆさが桁違い。屋台などの食べ物も美味しそうだし、麻雀が重要な要素となるため美しい雀荘も出てくる。グルメ家や麻雀ファンにもオススメしたい。

 【映画&音楽】歴史的なビヨンセのパフォーマンス

『ルディ・レイ・ムーア』 『HOMECOMING: ビヨンセ・ライブ作品』共にNetflix

 映画好きにオススメしたいのはNetflix『ルディ・レイ・ムーア』。1970年代に活躍した実在の黒人映画監督の成り上がりを描く「映画製作」映画だ。エディ・マーフィ演じる主人公はまさに猪突猛進。ホームレスの人々からネタを拝借して下ネタ芸コメディアンとして名を揚げたあと、全国区の人気を手にするため主演映画製作をもくろむ。

 しかし、からっきしの素人である。無理やり作り上げた彼の映画は、カンフー女軍団やカーチェイス、臓器飛び交うアクションなど、当時としてはごった煮すぎる怪作となった。ベッドシーン撮影では、舞台セットごと揺らすことで「激しさ」を演出するも、揺らしすぎた結果、ベッドの男女めがけて天井が落ちてきてしまう!

「ラップのゴッドファーザー」とも言われるルディのマシンガントークに翻弄されつづけた最後には、ホロリと泣ける場面も用意されている。エンターテインメントたる映画と劇場のパワーを感じさせてくれる名作だ。

 音楽好きのマストウォッチとしては、グラミー賞も獲得したNetflix『HOMECOMING: ビヨンセ・ライブ作品』。「歴史的パフォーマンス」と絶賛されたビヨンセの豪勢なコーチェラ公演(2018年)を体験できる。圧巻のショーの合間には、ビヨンセ本人の語りや製作風景も挿入されており、音楽やコンサートの意義、そしてショーに込められた信念が明かされていく。アメリカで本格的なロックダウンが始まったとき、SNSで「同時鑑賞イベント」を催された作品でもある。観終わったあとは、きっと勇気をもらえるはずだ。

●辰巳JUNK(たつみ・じゃんく)
音楽や映画、テレビドラマにセレブリティなど、アメリカを中心としたポップカルチャー・ウォッチャー。著書に『アメリカン・セレブリティーズ』(スモール出版)
Twitter: @TTMJUNK

最終更新:2020/05/05 11:00
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