マクドナルドとN.W.A、儲かった人から学ぶ「しぶとく生きれば巻き返せる」という心得【自粛中だから見たい景気がいい映画3本】
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新型コロナウイルス感染拡大を受け、ゴールデンウィークにもかかわらず自粛を強いられれている我々に残された最後の(?)娯楽、それが「おこもり映画鑑賞」である。こんな時期だからこそ見たい「否が応でも免疫が上がりそうな景気のいい映画」を好事家たちが紹介する! 第4回はライター・しげる氏が「儲かった人」にまつわる傑作を紹介する。
映画で見られる「景気の良さ」にもいろいろある。車が爆発したり筋肉が躍動したりする景気の良さもあるし、ド派手なVFXもリッチな感じがする。思い切りよく人間をバンバン殺す殺人鬼を見て「景気いいな~」と思うこともあるだろう。しかし、「景気がいい」という言葉の意味に立ち返ると、ここはやっぱりめちゃくちゃ儲かった人の話というのが、一番景気がいいのではないだろうか。
①『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2014年)
ものすごく儲かった実在の人の映画というのは、けっこうたくさん作られている。国際的企業の創業者の物語なんかはやっぱり面白い。また、儲けるためにエグい手を使った銭ゲバ的な人の話になると、ピカレスク・ロマンの味わいも出てくる。わかりやすいところだと、レオナルド・ディカプリオ主演の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は爆裂に景気がいい映画である。
ディカプリオ演じる主人公ジョーダン・ベルフォートは、最初はほとんど文無しの若者(にもかかわらず結婚している)である。野心だけは満々な彼はウォール街の投資銀行であるLFロスチャイルドに入社。昼間からコカインでガンギマリになりながら仕事をするマコノヒー先輩から「客を儲けさせたらほかの株を即買わせろ」「コカインをやれ」「シコれ」というありがたいアドバイスを受け、株式仲買人としてデビューする。しかし直後にLFロスチャイルドは倒産、ベルフォートはクズ株を売りさばく仕事に手を染めることになる。
しかしベルフォートはクズ株のセールスで頭角を現し、自分と同じような野心あふれるクズ人間を集め、26歳で「ストラットン・オークモント」という名前だけは立派な証券会社を設立。「なんかちゃんとしてそう」というイメージとセールストーク、さらにハイテンションな社内の雰囲気とで成り上がっていく。
この成り上がりの過程の景気の良さは凄まじい。会社で薬物をキメまくり、コールガールやストリッパーをオフィスに呼んでの乱痴気騒ぎの合間に仕事をする。元の妻と速攻で別れてマーゴット・ロビーと結婚するわクルーザーは買うわ、やりたい放題の大暴れである。全力で遊びまくり、そのままのテンションで仕事をする。このあたりのシーンでは、最近はすでに「顔が良くて面白いおっさん」になっちゃったディカプリオのイケイケぶりが炸裂。どんだけ無茶をやっても、ピシッとした格好をするとちゃんとして見えるのがズルい。
まあ、道徳的にはベルフォートは最悪なのは間違いないのだが、しかし彼らの仕事ぶりはとにかくイケイケで楽しそう。薬物でバキバキにテンションが上がった状態でセールスをかけるのは、会話するのすら面白くなっちゃって相当楽しく仕事ができるのではないだろうか。新卒でこんな会社に入っちゃったら、その後の人生では苦労しそうである。
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