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『沼にハマってきいてみた』レビュー

『沼にハマってきいてみた』斎藤工推薦の映画が、まるでEテレ向きじゃない件

NHK『沼にハマってきいてみた』

 4月27日の『沼にハマってきいてみた』は(Eテレ)は前週に引き続き、家の中でできるいろんな楽しみを提案する特別編が生放送された。

 MCのサバンナ・高橋茂雄と桜井日奈子はテレビ電話によるリモート出演だ。これは先週の放送と同様の形式だが、異なるのは両者ともにインカムマイクを装着しているということ。このリニューアルのおかげで、音声が格段に聴こえやすくなった。新型コロナ感染拡大防止に取り組むテレビ業界の進歩をリアルタイムで見ていると実感する。

誘惑の多い自宅で集中を促してくれるアプリ

 前回 に引き続き、「学び」や「好奇心」をテーマに数々のコンテンツを生み出すウェブメディア「QuizKnock(クイズノック)」がゲスト出演した。

 番組は「外出できない今だからこそ家で達成したいこと」をテーマに視聴者から投稿を募っており、その中に「勉強をしているとついスマホをさわってしまいます。集中力を上げるにはどうしたらいいですか?」という質問があった。QKが対処法としてオススメしたのは「Forest」というアプリである。タイマーをセットすると木が育っていき、途中でほかのアプリに切り替えると枯れてしまうという仕組み。木を枯らさないようユーザーはスマホに触らないようになり、作業への集中を促すのが狙いである。筆者も「Forest」は使ったことがあり、誘惑を断ち切る効果は確かにあった。いい集中方法だと思う。QKはほかにも「“今日は漢字50個覚えます!”とSNSで宣言して取り返しの付かない状況にし、自分を追い込む」という案も紹介した。これもナイスアイデアだろう。

斎藤工のオススメ映画が明らかに視聴者向けじゃない

 続いて“芸能界きっての映画マニア”斎藤工がVTR出演、今だからこそ家で見られる映画を紹介してくれた。

「現在、新型コロナウイルスの影響でみんな大変な状況にあると思います。僕らがすべきことは、うつさない、うつらない意識。家にいるということです」(斎藤)

「在宅を豊かにする心のインフラは映画」と説く斎藤が、とっておきの作品を紹介してくれるらしい。それは、以下の4本だった。

・『GO』(主演:窪塚洋介、監督:行定勲)
「主人公の杉原はコリアンジャパニーズ、いわゆる在日です。彼がこの日本で自分の居場所をマイノリティとして探していく姿。恐らく、多くの方が今の自分の置かれている状況とリンクするんじゃないかと思います。クローズな状況の中で、何を光として見いだしていくのか」(斎藤)

・『HOUSE ハウス』(主演:池上季実子、監督:大林宣彦)
「問題作でもあるんですね。それくらい映像が画期的だった。いろんなコンプライアンスとか規制を気にし出すとお利口な映画はたくさん生まれると思うんですけど、そういった概念を超えたところで、大林さんの本当に表現したいものをフルスイングしています」(斎藤)

・『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(監督:ガイ・リッチー)
「とにかく、伏線回収が小気味いい! そして、音楽、映像のセンスがずば抜けています。『GO』の脚本家でもある宮藤官九郎さんもガイ・リッチーの影響を受けて、“日本のガイ・リッチーになりたい”って公言しているぐらい。今見ても全然古くない映像感覚をぜひ楽しんでいただきたいなと思います。最高です」(斎藤)

・『わたしはロランス』(監督:グザヴィエ・ドラン)
「(DVDのジャケットを指して)カラフルな洋服が降ってるんですね。これ、感情表現なんです。あと、手紙を読んでいると内容とリンクして大量の水が降ってきたり、それが全部不自然じゃないんですね。人間の感情の先にある表現としてとても斬新で画期的なんですが、どこか腑に落ちる」(斎藤)

 さすが斎藤だ、いい作品ばかりをオススメしてくれた。ちなみに、この沼ハマを主に見ているのは小中高生。そんなEテレの番組で、堂々と『HOUSE ハウス』のような問題作を推薦してどうしようというのだろうか? この遠慮のなさ加減がいかにも斎藤、つくづく期待を裏切らない男である。あと、自分が撮った映画は推薦しないんだな……。

 もうひとつ気になった点は、VTR出演した斎藤がいた場所だ。背景の棚にとんでもない数の映画DVDが収納してあった。冗談抜きで、今すぐレンタルDVDショップが開店できそうな程。あれは彼の自宅なのだろうか? だとしたら、恐れ入る。大好きな映画に囲まれ、大好きな映画を紹介しているから、愛情たっぷりのプレゼンになったのだろう。

「斎藤工さんがいた場所の後ろにある棚のDVD、何を置いてあるのか全部教えてほしかったー!」(高橋)

 また、この日は桜井が部屋着を着ている秘蔵写真も紹介された。高校1年生のときに母親から買ってもらい、8年間も着続けている部屋着だそうだ。

高橋「8年着てたらだいぶ毛玉付いてるやろうな」

桜井「はい、もういっぱい付いています(苦笑)」

 在宅を豊かにしなければいけない今、率直に眼福だった。ありがたい。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2020/05/06 16:00
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