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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > 『ダンジョン』RG VS 品川に感涙
『フリースタイルダンジョン』レビュー

『フリースタイルダンジョン』師匠のスタイルが憑依したレイザーラモンRGと品川祐のバトルに感涙

仕込んできたネタが尽きてからが名勝負の品川 vs RG

 3戦目は品川とレイザーラモンRGのバトル。品川にはFORK(ふぉーく)が、RGにはJUMBO MAATCH(じゃんぼ・まーち)がそれぞれセコンドについた。特にRGとJUMBOは化学反応を起こしそうな気がする。これが案の定だった。

「今日のお前のラップは散々
まるでいつものお前の漫談
今日は俺は行くぜ ガンガン
それが フリースタイルダンジョンのスタッフの判断」(RG)

 RGのスタイルが完全にJUMBOリスペクトというか、リズム感が想像以上にレゲエになっていたのだ。声もかなり似ているし、RGにJUMBOが憑依しているかのよう。ちゃんと言葉に気持ちが乗っているのもよかった。

 対する品川はガチガチに踏んでいく。これはFORK流か?

「来たぜ 俺がおしゃべりクソ野郎 
そして お前はしゃべれないただのクソ野郎
俺が負けるなんてウソだろ
だってお前はあるある頼りのマンネリ野郎」

「俺の師匠はフォークアイ
お前の体は それはポークかい?」

「やってくれたな 相方 闇営業
受けた俺たち 嫌な影響」

 両者ともにセコンドの影響を受けまくっている。それぞれのヴァースで親の顔が見えるバトル。あと、さすがはできる芸人たちである。明らかに2人はネタを仕込んできていた。超用意周到だった。

 そんな2人の激戦は、どうやら延長に突入する模様。ネタ頼みの2人に延長はえげつない……。いや、用意したネタが尽きてからが熱かった。ここからは完全即興、トップ・オブ・ザ・ヘッドである。

品川「やってたなプロレス 負け続けの人生
   今日も負けた 帰れ」

RG「『負けた負けた』言ったけど 
   俺はスニーカーベストドレッサー賞 3年連続受賞
   お前は何か獲ったか?
   漫才でも映画でも何か獲ったか? 言ってみろ」

品川「そう 今日は無観客収録
   そう 俺は無冠の帝王
   確かに勝ったことはないけど負けたこともそんなにない」

「無観客収録」と「無冠の帝王」の押韻は完全にパンチラインである。ネタを出し切った後だからハートから言葉が出て、ちゃんと感情が乗っているのもいい。「フリースタイルに関しては探してもがいてる様も美しい」とはFORKの言葉だが、本当だ。初戦は韻を踏んで攻めていた2人が、延長戦ではバイブスで押し切ろうとしている。つくづく、延長に入ってよかった。こういうのが見たかったのだ。この2人のバトルは、クリティカルで品川の勝利に終わった。

Zeebra「これ、たまにあるMCバトルで感動するみたいなやつです」

大地「ヤバいです、俺ちょっと泣いちゃいそうです!」

 スキルが同レベルにある者同士だと、そこからは口ゲンカの強さが鍵になる。それが、勝敗につながったという印象だ。あと、FORKはセコンドについてもやっぱり無敗なんだな……。

  それにしても、前回と今回の放送を見て、改めてラッパーのすごさを再確認した。あれだけフリートークのできる品川が、フリースタイルではいっぱいいっぱいになってしまうのだから。

 実は放送前、芸人バトルをするくらいなら、いっそ過去の名バトル再放送をやってほしいと思っていた。いやいや、どうしてどうして。品川 vs RGは想定外の名勝負だった。さらに、紺野ぶるまという逸材も発見することができた。彼女については、いつか男性とのバトルで本領発揮する姿も見てみたい。

 ちなみに、今夜のダンジョンは「こんな世の中だから言いたい事がある! モンスターの主張 」という企画になるとのこと。青年の主張のような場が設けられるのだろうか、はたまた『真剣10代しゃべり場』(NHK)的な座談会なのか? 今できることで最大限に楽しませようと、番組が工夫してくれているのが伝わってくる。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2020/04/28 15:30
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