『家、ついて行ってイイですか?』緊急事態宣言後、人々の生活はどうなった?
#テレビ東京 #家、ついて行ってイイですか?
肉体関係を疑われる男友達は、薬物に手を出さないための支え
続いて2人目。番組スタッフは渋谷で派手なギャルに声を掛けた。彼女の職業はキャバ嬢で、月収は50~100万円の間とのこと。現在、彼氏はいないそうだ。
「(家では)友達が1人寝てる状態です。男性です。私と、うり二つみたいな人なんですよ」
家に到着すると、ソファで気だるそうに寝ている男性が、1人ではなく2人いた。まるで、我が家のように振る舞っている。さすがに、番組スタッフが質問した。
「恋愛感情は? 本当にないんですか!?」
しかし、女性は「本当にないんです」と全否定する。
浴室に行くと、体重計が置いてあった。
「体重計依存症です」
身長160センチの彼女が乗ると、体重計は45.1キログラムの数値を表示した。かなりのやせ型だが、本人は「41キロだったのに!」と不満そうな様子だ。
寝室に行くと、堂々と電マが置いてあるのを発見するスタッフ。
「自己処理道具です」
すぐそこに男友達がいるのに、女性は意に介していないようだ。
この女性、過去にいろいろあったらしい。
「捕まったりとか繰り返してて。もともと、薬物中毒者でした。10代のとき。覚醒剤です。っていうか全部ですね、基本的に」
だから、体重を気にしていたのか。また、覚醒剤はセックスドラッグでもある。電マで自己処理をしているということは、怪しい男との交流を断っている証しとも受け取れる。
実は、彼女の家にいる男性たちも、同じような過去を持っているらしい。
「支えの子たちです。私が元に戻りそうになったときの、ストッパーの子たちです」
仲間が2人いるというのもいい。2人だけだと片方が道を踏み外したとき流されがちだが、もう1人いれば誰かがストッパーになりやすい。スタッフは3人に謝罪した。
スタッフ「なんか、すみませんでした。男女関係があるという変な目線で、ずっと見ちゃってて。なるほどね」
女性「全然、全然(笑)。共倒れしないための仲間です」
真実を知るまで、ほとんどの視聴者も疑っていたと思う。言葉は悪いが、“ヤリ部屋”に見えたのだ。
「あんまり理解されない関係ですね」
彼女には将来の夢がある。
「子ども食堂とかNPOやりたいんです。非行少年とか少女の窓口になりたい。実際に犯罪をしても全部が全部ダメな人間っていないし。あら探しする世の中じゃないですか。人にいいところって絶対あるってみんなわかってるのに、1個罪を犯したことによって生きづらくなって居づらくさせてるなって。自分が10代のときに“こういう施設があれば”“こういう人がいれば”っていう施設を自分が作りたい」
彼女の家について行ったのは3月17日だった。そして、緊急事態宣言が出た今、この女性はどうしているのか? 例によって、番組はZoomで追加取材を行った。まず、勤務するキャバクラは営業を自粛している。彼女は、会えないお客さんのために、インスタライブを配信中だそうだ。
「お客さんがプライベートで会いたがるんですよ。“休みなら会おうよ”って。だから、“本当に自粛してるよ”っていう意味で、ライブ配信始めたんです」
お客さんより、無給を余儀なくされるキャバ嬢のほうが粛々とStay Homeを守っていた。
彼女のライブ配信、当初は一度限りの予定だった。でも、「元気が出る」という感想をもらい、現在は定期的に配信中である。NPO設立の目標といい、バイタリティのある人だ。
「この時間を、どう有意義に使うかですね。無駄にはしたくないっていうか。だから、“自粛が終わったら、私はパワーアップしてるな”って思ってるんです」
いくつか、心配な点はある。最大の懸念は、薬物の売買に関わる人物が彼女の職場や自宅を嗅ぎつけ、悪意を持って近づかないだろうか? ということ。そこだけは、なんとか死守してもらいたい。
ここ2カ月ほどで、世の中はすっかり変わってしまった。緊急事態宣言後は、特にだ。そんな中、いろいろな人の現状を知れたのは面白かった。みんなさまざまな事情を抱え、そして頑張っている。
あと、素早くコロナに対応したテレビ東京の姿勢にも脱帽する。ストックが命綱の番組だが、今回のパターンを発展させ、過去の放送分を掘り起こし「緊急事態宣言後、あの人は今どうしてる?」という形で急場をしのぐ手もアリかもしれない。個人的には、東京から故郷の北海道・留萌市に50年ぶりに帰省するも、実家が原生林に変わり果てていた男性の現在が知りたい。
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