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日刊サイゾー トップ  > コンビニが魚介おにぎり連発
コンビニ新商品「Tuesday Morning Reviews」#1

新商品『のどぐろたれ焼』はレンチンでバカウマ! コンビニが“キテレツ魚介おにぎり”を乱発するワケ

「コンビニの新商品はいつ並ぶのか?――それは火曜の朝である」

 1年間に5,000品超の新商品が並んでいる日本のコンビニエンスストア。「バスチー」のように大ヒットするものがある一方で悲しいかな、日の目を浴びずに消えていくものが山ほどあるのもまた現実だ。本コラムでは、火曜朝に発売されるコンビニ新商品を独断と偏見でチェックし、そのポテンシャルを予測。また、ひっそりと消えていくコンビニ新商品を記録しておくのが「Tuesday Morning Reviews」である。

 なおこのレビューは、流通アナリスト・渡辺広明氏と主夫リーマン・テキパキオ氏の私見たっぷりな辛口対談によってお届けします。

◇ ◇ ◇

渡辺広明(以下渡辺):第1回目はコンビニの歴史を変えたといっても過言ではない「おにぎり」をテーマにしましょう。びっくりするかもしれませんが、推計で年間60億食も売れている国民食なんですよ。

テキパキオ(以下パキオ):日本の総人口で換算すると年間約50個だから、毎月4個は食べている計算になりますね。もっと食べている人もいる気がする。

渡辺:ワンハンドで食べられるおにぎりはスマホとも相性が良く、外国人にもウケが良いんですよ。それこそ僕は東京五輪を機におにぎりが世界食になると期待していたんですが……。

パキオ:確かにコンビニのおにぎりは具材がしっかり英語表記されてますもんね。僕は最初「Seaweed」が昆布だとわかりませんでしたから……。

渡辺:ハハハ。今日はローソンが21日に発売した「海の極旨おにぎり」シリーズを食べてみましょう。その前におにぎりの売れ筋って何だと思う?

パキオ:ツナマヨとか鮭、あとは明太子とか昆布じゃないですか?

渡辺:正解です。昨年はローソンの「悪魔のおにぎり」が一時的にツナマヨを抜いたと話題になりましたが、不動の1位はツナマヨなんです!

パキオ:なるほど。基本的に海の幸はおにぎりと相性が良いですもんね。ということは今回食べるローソンの「金しゃりおにぎり のどぐろたれ焼」(税込み215円)と「金しゃりおにぎり びんちょうまぐろマヨソース和え」(税込み215円)は王道ってことですね!

渡辺:そうですね。でもその前に2018年以降のサバおにぎりのヒットがあったからこその〝原点回帰〟だと私は見ています。いわゆる切り身魚系のおにぎりと言えば、150円以上の高価格帯直巻きおにぎりの鮭しかありませんでしたから。

パキオ:サバか~。確かにサバ人気はすごいですよね。昔は缶詰も水煮か味噌煮くらいしかなかったのにスーパーで陳列される商品が増えていますし、特売の目玉としてエンド(店舗中央の一番目立つ陳列スペース)に置かれることもありますしね。

渡辺:それから、コンビニを利用するシニアが増えている点も見逃せませんよ。もともと日本人はお肉よりも魚を食べていたと言われていますが、今の20代だと回転寿司が好きな若者が非常に多い。

パキオ:渋谷センター街の立ち食い寿司も大繁盛しているんですけど、一番人気はサーモンって聞いたことがあります。そう考えると脂の乗ったサバおにぎりは若い人にも、昔から焼き魚を食べてきた高齢の方にもハマったのかもしれませんね。

渡辺:さて、そろそろお互いに試食してきた感想にいきましょう。まずはびんちょうまぐろですが、僕の中1の息子は「ツナマヨじゃね?」、大学3年の息子は「普通のツマナヨに100円プラスして買う価値なし」と厳しい意見でした。

パキオ:なんかお子さんのせいにしているように聞こえますけど、めちゃくちゃ厳しいですね。

渡辺:してない、してない! 僕はおいしいけどちょっと高いかな~って(笑)。

パキオ:でも、僕も実際リピートはないなと思っていて、「びんちょうまぐろのマヨソース和え」を見て購入するときにツナマヨの味は想像してなかったんですよ。いや、よく考えればツナマヨなんでしょうけど、もっとマグロ味のおにぎりを想像していたんです。ニューデイズの「寿司むすび まぐろたたき」みたいな。だからマグロのフレークが大きくてもちろんおいしけど、勝手にがっかりしちゃいました。

渡辺:「のどぐろたれ焼」は「今までにない魚入ってる、けどな~」という感想です。

パキオ:渡辺さん、それじゃ感想が切り身よりも薄いです。僕は一口食べてからレンチンしたんですけど、これが大正解。まずノドグロの皮の焼いた香りが食欲をそそるし、甘辛いタレとノドグロの脂がごはんに絡まってうまい。個人的にサバおにぎりもレンチン推奨なんですが、それ以上でにレンチン必須です!こっちはレンチンできるならリピートありのおいしさでした。

渡辺:僕も温めればよかったな。

パキオ:僕はついでに「金しゃりおにぎり いくら醤油漬け」(税込み198円/ローソン)も食べてみたんですね。

渡辺:それは僕が週1ぐらいで必ず食べている好きなおにぎり。味覚が子どもだってよく言われるんですよ(苦笑)

パキオ:そうなんですね。で、いくらのパッケージには「※温めずにお召し上がりください」と書かれているんですが、「のどぐろ」には「※写真はイメージです」と「※魚の小骨に注意してお召し上がりください」としか書かれていません。ここは目立つように、「※温めて食べるとより一層おいしく召し上がれます」と書くべきだと思うんです。200円払ってノドグロ選んでるわけですから。

渡辺:それはいいアイデアだと思います。でも「新商品」シールの代わりに「HOT推奨」シールを貼ったら、コンビニゆえに手に取りづらくなるというジレンマを抱えている気もします。でもいづれにせよ、サバおにぎり以降の切り身魚系のおにぎりの未来は明るいってことで。

パキオ:はい! 個人的に来週28日発売の「金しゃりおにぎり 昆布薫る真鯛」も追いかけてみます。

 

渡辺広明(流通ジャーナリスト)

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浜松市出身。2児の父。マーケティングアナリスト、日本唯一の流通アナリスト、コンビニ評論家、流通ジャーナリスト、約730品の商品開発に携わるマーケター、元コンビニバイヤー、元コンビニ店長、現コンビニアルバイター、「浜松市やらまいか大使」(観光大使)など、さまざまな顔を持つ。フジテレビ『Live Newsα』レギュラーコメンテーター『ホンマでっか⁉TV』レギュラー評論家として活躍する他、スポーツ紙「東京スポーツ」に連載を持ち、ニュース・ワイドショー・新聞・週刊誌・ラジオなどのコメント・講演会・アドバイザリー・顧問業などでも幅広く活動中。趣味は「ドラゴンズ熱烈応援」「時折フルマラソン」「発展途上国の教育支援(ガーナ・ラオス)」。著書に『コンビニが日本から消えたなら』(KKベストセラーズ)

わたなべひろあき

テキパキオ(ライター)

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都内に住む30代サラリーマン。小学生のとき、母親の手伝いで料理に目覚め、兄の夜食を作るようになる。大学時代にはカジュアルイタリアンの厨房でアルバイト。就職後は自炊することがなかったが、3年前にアーティストとして働く妻と結婚して家事全般を担当。猛スピードで掃除洗濯をこなす様子から妻に「テキパキオ」と名付けられる。PB食品の食べ比べがスーパーの売り場徘徊が趣味。蛇口とシンクを磨くのが好きで、行きつけの飲み屋の閉店作業に加わりがち。

Twitter:@@tekipakio

てきぱきお

最終更新:2020/04/24 12:12
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