2025年の大阪・関西万博開催に黄色信号? カジノ誘致レースも大幅後退へ
#本多圭 #カジノ誘致 #カジノ利権
新型コロナウイルスの感染拡大が各界に多大な影響を及ぼしているが、大阪では、カジノ誘致に加え、2025年の大阪・関西万博開催にも黄色信号が灯り始めたという。
「現在、大阪のIR事業者に公募しているのは、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスのグループ1事業者のみ。ところが、感染拡大によってMGMが経営危機に陥り、離脱する可能性が出てきたのです」(在阪のテレビ関係者)
大坂の人工島・夢洲(ゆめしま)開発のため、2000年代からカジノ誘致を目指してきた大阪府と大阪市は、2016年12月、国会でIR(カジノを含む統合型リゾート)推進法が成立すると、カジノ招致の有力候補として名乗りを上げてきた。
「カジノが誘致されれば、ホテルや劇場などエンタテイメント施設が作られる計画で、その売り上げは年間500億円以上と試算されています。ですから、大阪をお膝元とする吉本興業も、タレントを総動員して招致活動のバックアップに尽力してきました。当時府知事だった松井一郎がカジノ誘致を公約に掲げた時から、大坂維新の会に協力していましたよ」(在阪のフリーライター)
IR事業者公募に手を挙げたMGMは、「(日本での事業展開は)大阪オンリーだ」と宣言。IR開業予定地である夢洲のインフラ整備費を捻出するため、稼ぎ頭だった米ラスベガスのカジノホテルを売却し、約4600億円の資金を用意していたという。
「大阪府は、夢州の埋め立て工期を当初の5年から10年に延長しました。専門家によれば、夢州は、辺野古(沖縄)や豊洲(東京)と同じく、地盤が軟弱で着工してから莫大な費用と時間がかかるとみられています。それだけにMGMの資金力が頼りでした」(前出のテレビ関係者)
ところが、感染拡大によって、MGMは米国内のカジノをすべて封鎖。従業員のリストラに加え、経営陣も報酬カットを余儀なくされ、大阪カジノにまでとても手が回らない状態だ。
実際、MGMは、4月下旬に予定していた事業計画の提案書が提出できなくなり、これを受け、吉村知事は「事実上、万博前の(カジノ)開業は断念する」ことを明らかにした。
「MGMが経営危機に追い込まれて、事業者から離脱する可能性が出てきた。そうなれば、カジノの誘致レースにも影響を与えかねません」(前出の在阪のフリーライター)
それだけではない。夢洲は、IR開業予定地であるだけでなく、2025年開催予定の大阪・関西万博の会場予定地でもある。そのため、インフラが整備できなければ、カジノだけでなく、万博の開催まで危ぶまれるのだ。
これまで、全国3カ所のカジノ誘致レースに関して、「大阪府はIR誘致のトップランナー」と自信を覗かせていた大阪と、万博・カジノ利権に食い込もうと招致に尽力してきた吉本興業。いずれも未曾有の危機に直面しているが、このコロナ騒動を乗り切れるだろうか。
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