「パンデミック克服」うたう中国で高まる外国人差別……広州市のマクドナルドが“黒人入店お断り”
#中国 #マクドナルド
新型コロナウイルスの感染拡大が収束に向かっているといわれている中国で、外国人に対する新たな差別問題が起こり、外交問題にまで発展しつつある。それが、広東省広州市に住むアフリカ系外国人に対する差別である。
広州市で10年以上にわたり貿易業を営む日本人は、広州のアフリカ系外国人についてこう説明する。
「広州は古くから国際貿易が発展してきた都市で、年に2回開催される国際交易会には世界中から数多くの外国人バイヤーたちが訪れ、そこで仕入れたり製造を依頼したりした製品を本国に送っていました。その中でも中国政府が伝統的に深い外交関係を持ってきたアフリカ諸国から多くの人たちが広州に移り住んで貿易業を営むようになり、そんなアフリカ系の人たちが多く住む小北(シャオベイ)という地域を、地元住民の一部は“チョコレートタウン”などと揶揄していました」
4月に入り、小北に住むアフリカ系住民の間で新型コロナウイルスが感染拡大していることがマスコミで報じられると、彼らに対する差別が始まり、それまで住んでいたアパートやホテルを追い出されたりして、路上で生活せざるを得ない人も出てきているという。
そんな中、広州市内のマクドナルドのある店舗が「黒人入店お断り」の告知を出し、大騒動となった。
4月11日にTwitterに投稿された画像では、マクドナルドの店内で店員が持っていた告知の紙が映し出され、そこには「みなさまの健康を守るため、今後、黒人の方の入店を禁止するよう、警察より指導されました。ご不便を、なにとぞご了承ください」と書かれている。
これに対して、アフリカの各国政府や大使館が大反発。マクドナルド中国本社は、すぐさま謝罪することとなった。
本はといえば自国で発生し、世界中にバラまいたウイルスであるにもかかわらず、自国での感染拡大が収まり始めたら、今度はそれに感染した外国人を差別するとは、理不尽と言うほかない。
世界的にはまだ収まる様子を見せない新型コロナウイルス禍は、たとえ収束に向かったとしても、外交関係においては、また新たな火種となりそうである。
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