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『フリースタイルダンジョン』レビュー

『フリースタイルダンジョン』モンスター全員の名前で韻を踏むR-指定に、ラスボスとしての矜持を見る

”ラスボス”R-指定は別格だった

 番組後半で行われたのは、3代目モンスターたちによるサイファーだ。これ、ものすごかった。圧倒されて、見た後はしばらく言葉が出なかったほどだ。

 口火を切ったのはTKda黒ぶち(てぃーけーだ・くろぶち)である。得意の早口で、場のテンションをしっかり上げるTK。やはり、トップバッターの似合う男だ。そして、特に攻めたのはFORKだった。

「国家権力よりも ヤバいラップしまくるぜ
ここ 今 非常事態
だけどラップで超える 実証したい
【コンプラ】ヤバい頃か? 知らねぇ
何カ月 みんなで【コンプラ】してもしょうがねぇ」

【コンプラ】で音が消されているが、FORKは間違いなくコロナに触れている。【コンプラ】になることを見越し、「ヤバい頃か」でこっそりコロナと押韻して忍ばせているところがまたエグい。完全に隠させないつもりだ。文字通り、ヤバいラップである。

 ラストに登場したのは、ラスボスのR-指定だった。

「手本はなくてもGet on the MIC 
エローンざ尋(ERONEの昔の名前) から受け取ったバース」

「全盛期のTK(TKda黒ぶち)ファミリーばりに
この経験を走り書き」

「好きなようにフリースタイルする そこのガキ
でも眉唾もんなライムじゃ
アイスバーン(FORKのクルー)の上でスリップさせられちまう
だから気をつけな お前のトラウマ
後ろについてるカルマ(呂布カルマ)」

「ID(ID) センスと自分の腕
それだけで俺ら 身分を証明」

「ラップに感謝 オールマイティな俺達が
即興でジャム(JUMBO MAATCH)ってロックするぜ」

 R-指定が、引くくらいカッコよかった。何気に、モンスター全員の名前(クルー名)でサラッと韻を踏んでいるのだ。しかも、最後はJUMBO MAATCH(じゃんぼ・まーち)のMighty Jam Rock(まいてぃ・じゃむ・ろっく)で締めくくるところが憎い。ずっとすごかったのに、最後にRが全てを持っていってしまった。ラスボス、最強。最近はバトルをしていないから劣化している? と不安になっていたが、それどころか彼は1段上の次元に行っていたかもしれない。

 このサイファーを見て、3代目全員の音源ががぜん聴いてみたくなった。たまには、バトルがない回もアリだ。っていうか、この人たちを相手に5連勝しなきゃいけないというのはキツいぞ……。

 この日の放送中、Twitterでは「フリースタイルダンジョン」がトレンドワード入りしていた。みんな、3代目モンスターのサイファーを喰らっていたのだ。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2020/04/22 09:22
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