「形変えてしまうぞ、この野郎!」社会の不穏な空気を吹き飛ばす、長州力のパワーワード
#黒柳徹子 #長州力 #テレビ日記
長州力「形変えてしまうぞ、この野郎!」
ただ、こんなときでも面白い番組は数多く放送されている。
たとえば、14日の『相席食堂』(朝日放送)。千鳥の大悟とノブが作った草野球チームの試合が放送された。約10カ月前から少しずつ選手を集めるなどして進行してきた企画だ。なお、選手の多くは街ブラロケで集めた一般の人。一部、芸人と板東英二が混ざっている。
で、なぜか解説席に座っているのは長州力。同番組での長州といえば、過去に旅人として出演した際、干したホタテの貝柱のおいしさを「食ってみな、飛ぶぞ」と表現したことで知られる。そんな名言メーカーであるところの彼の力量は、今回もまた遺憾なく発揮された。
大悟チームの助っ人プレイヤーとして武藤敬司が登場したときのこと。プロレスラーとしてマイクパフォーマンス的な口撃がエキサイトする中で、長州が武藤に言い放つ。
「形変えてしまうぞ、この野郎!」
その後も長州は、「形変えてしまうぞ、ホントに」「形変わるぞ」「形変わったほうがいいな」と事あるごとに発言する。聞いたことない言葉、聞いたことない五段活用。板東英二もかすむパワーワードの連発に、笑わずにいられなかった。
あるいは、17日の『爆笑問題のシンパイ賞!!』(テレビ朝日系)。いつもは爆笑問題チームと霜降り明星チームでVTR対決が行われるこの番組。爆笑チームは主にBOOMERなどボキャブラ天国世代が、霜降りチームは第7世代の芸人が出演する。
しかし、この日は新型コロナウイルスへの対応のためか少し趣向が異なり、霜降り側からはEXITが、爆笑側からはニューヨークが出てネタ対決が行われた。
で、ネタ後のニューヨークと霜降り明星、EXITのトークが面白かった。
2019年のM-1決勝に進出したニューヨークは、それ以前からずっと次世代のホープとして周囲から期待されてきた。しかし、なかなか結果が出せないでいた。そんな状況が周囲の芸人からイジられ、笑いになってもいた。そうこうするうちにニューヨークは30代になり、第7世代と呼ばれる20代中心の若手が台頭してきた。
ニューヨーク・嶋佐が、霜降り明星やEXITに訴える。
「第7世代、7~8組だけのせいで、100組以上の芸人がいま路頭に迷ってるんですよ、俺らくらいの。お前ら7~8組の少ない人数で牛耳ってる。俺ら100組以上が路頭に迷ってんだ!」
その後は、第7世代入りを熱望するニューヨークと、それに明確に対峙する霜降り明星・粗品、混ぜっ返すEXIT・兼近、火に油を注ぐ爆笑問題・太田、神様気分で状況を俯瞰する“第7世代”というワードの発案者・せいや、といった出演者のやりとりが次々と笑いを生み、グルーブを生む。ニューヨークより年上なのに第7世代に入っているりんたろー。の微妙な立ち位置もおかしみを誘う。熱量が高まったところで、最後に「コロナ対策でちゃんと距離とってるんで、あんま立たないでください」と芸人たちに冷水を浴びせる新井恵理那のツッコミの流れも美しかった。
あと、18日に第1話が放送されたドラマ『M 愛すべき人がいて』(同)は、面白かったし笑ったのだけれど(棒読みのセリフとか、ベタな効果音とか、丹下段平役、ではなくて秘書役の田中みな実とか)、視聴率を獲るための要素をふんだんに盛り込んだ番組が、ネットでバズる要素をふんだんに盛り込んだ番組にスライドしたような気もして、ちょっとモヤッとした。バズる要素てんこ盛りにモヤッとする、という反応までたぶん見越してる。
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