財務省職員の手記で「文春」が絶好調、財務官僚が恐れる遺族の直撃
#週刊文春 #森友学園 #財務省
新型コロナの影響は、当然ながら雑誌業界にも影響を及ぼしている。週刊誌デスクが嘆息気味に語る。
「『報道ステーション』(テレビ朝日系)は富川悠太アナの感染を受けて、全スタッフを入れ替えて制作していることのですが、週刊誌にそんな人手の余裕はありません。数人欠けただけで本が出せないこともありえる。ゲラの修正を紙に書き込むため、完全な在宅勤務は不可能ですが、編集長やデスク以外は、基本的に編集部に来ないよう指示が出ています」
取材で出歩くこともままならず、記事のクオリティに頭を悩ませる中、気を吐いているのが「週刊文春」(文藝春秋)である。
「売上が全く落ちてないそうです。休店している書店も多いため、もし通常通りだったらかなりの売り上げだったはず。文春は、コロナ特集にも力を入れていますが、勝因は森友問題の文書改ざんを苦に自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんの件をしつこく取り上げていることでしょう」(同)
3月18日発売号で赤木さんの遺書を掲載し、発売わずか1日で完売。ネット時代のご時世に雑誌の完売が出たことは、出版関係者の度肝を抜いた。
「担当記者の誰もが狙っていた大スクープというだけでなく、SNSで遺書が話題となり、文春に縁のなかった若者も購入しました。東京五輪延期に端を発し、翌週以降、メディアはコロナ一色となりましたが、その後も文春はトップ記事で遺書の話を掲載し続けた。直近の4月16日発売号でも左トップの大きな扱いです。文春だけはこの話題を忘れないという愚直な姿勢が、好感が持たれているのでしょう」(同)
衝撃的な遺書に食いついていたメディアも、安倍政権が再調査しないと明確にするや、潮が引くように扱わなくなった。財務官僚は胸をなでおろしているかと思いきや、実は、戦々恐々だという。財務省関係者が語る。
「文春の凄みは、記事化の際、対象者に直撃すること。遺書に登場する関係者に次々とアタックしており、『虚偽答弁』と名指しされ、今や次官手前の太田充・主計局長への直撃も成功しています。ただ、これまでは文春記者による直撃だったので、適当にいなしておけば済んだ。驚いたのは、赤木さんの奥さんが直撃に出向いき始めているということです」
16日発売の週刊文春4月23日号では、赤木さんの妻が筆者の相澤冬樹氏とともに、文書改ざん当時近畿財務局管財部長だった男性に直撃しているのだ。
男性は「辞めたから関係ない」と逃げるばかりだったが、妻は、男の天下り先の金融機関本店前で早朝から張り込んでいたというから、執念の凄まじさがわかる。
「奥さんは涙ながらに男にくらいついており、これをやられたらたまらない。かといって真実を話すわけにもいかない。関係者は奥さんがいつ来るか、眠れぬ夜を過ごしているはず」(同)
コロナ対策で総スカンの安倍政権だが、遺族の気持ちを踏みにじるような姿勢が、今露呈しているに過ぎない。こんな局面だからこそ、メディアの真価が問われていると言えよう。
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