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テレ東、新型コロナ禍でも増収増益⁉︎ ローカル局を掌握して一人勝ちのワケ

テレ東、新型コロナ禍でも増益増収⁉︎ ローカル局を掌握して一人勝ちのワケの画像1
テレビ東京が入居する住友不動産六本木グランドタワー(画像はWikipediaより)

 新型コロナウイルスの蔓延により、テレビ業界にもその影響が強まっている。なかでも、ロケが中心となるバラエティ番組やドラマは大打撃だ。

「バラエティはロケ先の許可がおりなかったり、そもそもこのご時世に大人数でバカ騒ぎをすることに局の上層部が難色を示しています」と苦々しく話すのは、ある広告代理店関係者。

「とくに『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)のような海外ロケが必要なものは、日本国内にロケ先を絞るなどの代替案も出ていますが、どれも却下されているため総集編や傑作編でその場しのぎを計画しています。今夏の24時間テレビも規模を縮小して行うか、中止にするかギリギリまで意見が割れているようですよ。CMスポンサーも続々と降り始め、民放各局はどこも減収減益を見込んでボーナスカットなどの調整を始めているようです」(前出の広告代理店関係者)

 そんな状況下で、一人勝ちしそうなのがテレビ東京だという。

「テレ東は、他の民放各社とは違い地方に系列局を多く持っていません。その代わりに、番販と呼ばれる番組販売システムで地方のローカル局と取引をしています。この番販システムは特殊で、番組によって値段も違えば人気番組には入札制度も設けられる。今回、地方でもコロナ騒動でロケができない、東京や大阪からゲストを呼べないなどの理由で自社制作番組の放送を休止するローカル局も出始めています。その番組の穴埋めをするため、テレビ東京の番組を高くても臨時で購入したいという動きがローカル局全体に出ているんです」(地方局関係者)

 ローカル局ならば、キー局となる民放各社から番組を融通されてもおかしくないはずだが、そう簡単な話ではないという。

「いまや、キー局ですら新ドラマの放送を延期し、過去のドラマの再放送をゴールデンで行うなどなりふり構わない編成を行っていますよね。地方局に穴埋め用のドラマやバラエティを貸し出すほど余裕がない現状なんです。しかも、テレビ東京の番組は、地方によっては『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』『開運!なんでも鑑定団』など、お昼の放送でも20%近い視聴率を取ってしまうキラーコンテンツになっている番組もあります。コロナで広告収益が減っているローカル局としては、キー局に頼るよりもテレ東の番組に投資をしたいと考えているんです」(同)

 しかし、テレ東もバラエティやドラマのロケがコロナ騒動の影響で行えず、ピンチなのは同じことのように思えるのだが。

「テレ東の番販は、基本的に数ヶ月遅れで放送の許諾を出しています。なので、地方によっては、4月にお正月の特番を放送しているところもある。つまり、テレ東が売る番組は半年分近いストックがあるので、当面はシステムが崩壊しないんです。しかも、本来であればテレ東も1年以上前の番組は番販で売らないのですが、今回のコロナ騒動を受けて過去10年以上さかのぼった番組まで提供する仕組みを整え始めているという噂もあります。テレ東ならではの柔軟さが功を奏してか、ローカル局からの問い合わせも多くなっていると聞きますね。
 もともと、他の民放各局よりも広告収益が低いテレ東だけに、コロナ騒動で減収減益を見込んでいる民放各局を尻目に、今回の番販の拡大が上手くいったら過去最高の収益が出るかもしれないと盛り上がっているようですよ」(同)

 民放各社がお手上げ状態のなかで、やはりテレビ東京だけは独自路線で突き進んでいくようだ。

小林真一(フリーライター)

テレビ局勤務を経て、フリーライターに。過去の仕事から、ジャニーズやアイドルの裏側に精通している。

こばやししんいち

最終更新:2020/04/14 20:04
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