松本人志の“水商売への差別発言”に、銀座や六本木のクラブママやホステスが反旗
#松本人志 #本多圭
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4月7日、緊急事態宣言が発令されたものの、自粛業者に対して損失補填はしないという政権の姿勢に、各方面から批判・不満の声が噴出している。そんななか、助成問題に関する、ダウンタウン・松本人志による“差別発言”に、東京・銀座のクラブママやホステスが激怒している。
問題の発言があったのは、5日に放送された情報バラエティ番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)。3月から実施されている学校の臨時休校によって休職を強いられた保護者を助成する制度をめぐって、風俗業界や接待飲食業で働く人たちが除外され、批判の声が上がっていることがテーマとなったのだが、そこで司会の松本が、「水商売のホステスさんが仕事を休んだからといって、普段(ホステスが)もらっている給料を我々の税金では、俺はごめん。払いたくないわ」とコメントしたのだ。
銀座8丁目のクラブオーナーはこう憤る。
「銀座のママやホステスたちは、個人事業主としてきちんと申告し、税金を払っている納税者。にもかかわらず、“ホステスには払いたくない”という松本の差別発言は許せません。むしろ、許せないのは、松本の後輩で、去年、巨額の申告漏れが発覚したチュートリアル・徳井(義実)のほうでしょう。この助成制度については、見直しの署名活動を展開しています」
放送翌日の6日、一般社団法人「日本水商売協会」が、「新型コロナウイルス感染症による接待を伴うナイトクラブの自粛による営業補償をお願いする陳情書」の署名活動をスタート。「風営法の管轄だけ差別をされています。一般企業、一般市民と同じ処遇を!」と訴えた。
嘆願書への賛同を働きかけた銀座のクラブママ有志は、LINEを通じて協力を呼びかけ、その輪は銀座だけでなく六本木や新宿歌舞伎町にまで広がったが、そこには、松本の差別発言に対する抗議の意味に加え、切実な思いがあった。
「松本は、日頃ホステスが貰っている給料が高い、と思っているようだが、そんなホステスばかりではないし、そもそも、彼女たちはきちんと申告したうえで納税している。にもかかわらず、松本の意見に同調する輩も出てきて、“松本、許せない”と、銀座のママやホステスたちの怒りは収まりませんよ」(同)
嘆願書は、当初、5,000人の賛同者を目標としていたが、その輪は広がり続け、現在6,000人を超えているという。
「嘆願書の発起人には、六本木や新宿の老舗クラブや大手キャバクラチェーンのオーナーも名前を連ねています。政府の緊急事態宣言で困窮するホステスや従業員の切実な気持ちは同じだということですよ」(水商売関係者)
実際、この“水商売は対象外”という当局の対応に対しては、「職業差別だ」との批判が沸騰。6日、衆院決算行政監視委員会で、寺田学・衆院議員から改めて見直すべきではないのかと質問を受けた菅義偉官房長官は、「政府として要領を見直したい」と答弁。一転、給付を認めた。
さらに、8日には、ネット上で実施された別のオンライン署名9,407名分が厚生労働省に提出されたほか、9日には、東京の繁華街で働くホステスたちが、岸田文雄・自民党政調会長と面会。企業や個人事業主を対象とする支援策から「接待飲食業」を除外しないよう、改めて直訴したが、夜の街の苦境は続く。
「銀座のクラブも、お客を通じてホステスや従業員に感染者が出て、3月下旬から臨時休業する店が続出しています。それでも、当初は8割方が10日までの休業を予定していたのですが、緊急事態宣言が発令されたことで、5月6日まで延長になりました。ホステスにとっては死活問題です」(クラブ関係者)
ただでさえ苦しい状況のなか、政府の自粛要請に応じながら、“差別発言”を受けた夜の街。クラブや小さなスナックなどを含めれば、夜の銀座には、約2万人近いホステスがいるといわれているが、松本は不用意な発言で、彼女たちを敵に回してしまったのだ。
松本は、6,000人超が賛同した嘆願書をどのように受け止めるのか? いずれにせよ、差別発言については、早々に撤回したほうが良さそうだ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事