歌舞伎町案内人・李小牧氏が緊急現地レポート「3カ月後に生き残っている店は3分の1に!?」
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4月7日に発令された緊急事態宣言を受け、東京都は11日、ナイトクラブやカラオケボックスなどを対象にした休業協力要請を出した。さらに、居酒屋を含む飲食店に対しては、営業時間を午後8時までとするよう求めた。
こうした決定は、夜の街を一変させた。「眠らない街」として知られた世界有数の歓楽街、新宿歌舞伎町では、姿を消した客引きの代わりに都職員や警察官が街頭に立ち、道行く人々に帰宅を促している。
いわゆる「3密」となりやすい夜の街が、感染拡大を防ぐ上で要所のひとつであることには異論を挟む余地はないだろう。また、歓楽街は「不要不急」の類いであることも確かだ。ただ、そこで働き、生計を立てる人々の存在も忘れてはならない。
政府は当初、緊急事態宣言に基づく休業補償の対象者から「接待を伴う飲食業」や「風俗業」を除外していたが、「職業差別だ」という批判が高まったことで、一転して対象者に含めた。すると今度は、「どうせ税金を払っていない者たちに休業補償などもってのほか」などといった声がネット上で相次いだ。
そんななか、「歌舞伎町の現状を知ってほしい」と話すのは、歌舞伎町案内人として知られる作家の李小牧氏だ。
李氏は、新型コロナ感染拡大によって変わり果てた新宿の歓楽街についてこう話す。
「新宿区内の感染者の4分の1が歌舞伎町のキャバクラや風俗店など夜間営業の店の従業員であると判明したため、緊急事態宣言の発令以前から、この街の客足は激減していました。キャバクラや風俗店では、特に資金が潤沢な店ほど、緊急事態宣言を待たずに営業自粛を決めたところが多かった。ただ、経営規模の小さい店舗は、テナント料や人件費などを工面するために、細々と営業を続けていたんです。しかし、現状、キャバクラ、ガールズバー、ホストクラブに関しては、ごく一部を除いて、ほぼ全店が営業を自粛しています。風俗の無料案内所も、シャッターが閉まっていて運営されていません。ソープランドなどは営業を継続している店もありますが、大手の角海老は営業自粛を行うなど、方針は店舗ごとに分かれているようです。
風林会館付近には普段の週末なら20~30人くらいキャッチがいますが、今はマスク姿のアフリカ系のキャッチが2~3人立っているだけです。30年近く歌舞伎町を見てきましたが、ここまで活気を失った歌舞伎町は初めてです。おそらく、戦後で一番静かになってしまったのではないでしょうか」
風俗店以外の飲食店も同様だ。
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