中国で『あつまれ どうぶつの森』が発禁に! “島”で起こる香港デモと『闇あつ森』の密売
#中国 #任天堂 #上海 #Nintendo Switch
3月に任天堂からリリースされたNintendo Switchソフト『あつまれ どうぶつの森』(以下『あつ森』)。無人島を舞台にユーザーが「自分だけの島」を作って楽しむことができる本作は、日本はもとより世界中で反響を呼んでいるが、このゲームをめぐり中国でちょっとした騒動が巻き起こっている。
新型コロナウイルスの影響で外出もままならなくなった中国では、自宅で楽しめる『あつ森』が爆発的な人気を誇っており、中国版ツイッター・Weiboでもゲーム画面のスクリーンショットを投稿するユーザーが多数いるが、ここにきて発売禁止になったというのだ。中国の国内事情に詳しい記者はこう話す。
「現在中国で発売されている『あつ森』は“グローバル版”といって、実は当局の審査を正式に受けたものではないんです。初期設定の言語選択で中国語簡体字も選べますが、中国のためにあつらえたものではない。いわゆる『グレーゾーン』なゲームという扱いでした。ですが、4月10日の午前3時に突然発売禁止の号令が出たとかで、販売を行っていた店舗主たちがWeiboで『あと2時間であつ森は発売禁止になる。理由は知らされていないが、急に通達がきた』と投稿し、ユーザーたちを唖然とさせたのです」
なぜ『あつ森』に発売禁止号令が出されたのか。中国人ユーザーたちは、一部の反体制ユーザーがゲーム内の「マイデザイン」という機能を使って政治家を揶揄したり、政治批判を展開したことが原因ではないかと推測している。この「マイデザイン」とは、ゲーム内で家具や衣服などを自由にデザインできる機能で、これらは「マイデザイン投稿掲示板」を使って他のユーザーと共有することもできるのだ。前述の記者はこう続ける。
「中国最高指導者の習近平らをバカにするようなマイデザインを作って流布する者が現れたり、新型コロナウイルスの影響でデモができなくなった香港人ユーザーがゲーム内の島でデモをする遊びをしたり……Weiboでやったら即アカウント削除になる政治批判的な表現が、『あつ森』では自由にできてしまった。これを中国政府が見逃すわけがない。こうした動きを当局は本気で問題視し、発売禁止号令に踏み切ったのではないでしょうか」
今回の『あつ森』発売禁止を受け、中国人ユーザーからは「これを機にオンラインプレイのできる『あつ森』のような自由度が高いゲームの全てが禁止になるのではないか」と危惧する声も上がっている。さらに前出の記者は、この発禁号令に対し矛盾を指摘する。なぜなら、中国の公的機関が『あつ森』を組織のプロモーションに利用してきた事実があるからだ。
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