緊急事態宣言に先駆け、Jリーグが「再開白紙」を発表した裏事情
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4月3日、Jリーグの村井満チェアマンは今月末からJ3、来月上旬からJ2とJ1の再開を目指していた日程をいったん白紙にすることを発表した。
その理由は主に2つ。ひとつは、東京都の小池百合子知事や国民から政府に対し、緊急事態宣言発令を求める声が強まっていたこと。実際、7日夜に緊急事態宣言が発令され、5月6日までスポーツイベントを行うことはできなくなった。
であれば、「5月6日の再開を目指せるのでは?」という声も上がりそうだが、そうもいかないのが2つ目の理由で、Jリーガーに感染が拡大しつつあるからだ。
現在までのところ、ヴィッセル神戸DF酒井高徳、同チームスタッフ、ザスパクサツ群馬DF舩津徹也、セレッソ大阪GK永石拓海が新型コロナウイルスに感染したことが確認されている。酒井の感染経路は不明だが、舩津はオフで都内に行った際と推測されており、永石は友人との食事会が原因とみられる。
食事会での感染といえば、阪神タイガース・藤浪晋太郎も同様だ。藤浪は3月14日、親交のある会社経営者が所有する高級マンションで開かれた寿司パーティーに出席。写真週刊誌「フライデー」(講談社)によると、北新地の有名クラブのママやホステスもいたといい、同席した伊藤隼太、長坂拳弥と女性3人も感染。「クラスター合コン」などと厳しい言葉が浴びせられた。
「プライバシーもあるので感染経路が事細かに明かされることはありませんが、多くのJリーガーたちは『stay home』をしっかりと守っています。というのも、Jリーグ事務局のコロナ対策は迅速かつ徹底しており、それをクラブ側にも要求。2月下旬から公式戦を中断し、不要不急の外出自粛を求めていた。そんな中でも感染してしまった要因のひとつに、大学生とのトレーニングマッチがあるのでは? 大学によっては3月に入ってからも遠征していたチームがありますし、そういったチームと対戦すれば、Jクラブが徹底したコロナ対策をしていても感染してしまう。Jリーガーはハードなトレーニングによって、一般の人より免疫機能が低下しやすい状態にありますし、酒井の感染経路は、そのあたりではないでしょうか」(サッカーライター)
一方で、J3はバイトをしないと食べていけない選手たちがほとんどであり、J2でもフリーターほどの給料しかもらっていない選手も多く、J1選手のようにリスク管理を徹底できていない現状がある。
「J3や一部のJ2選手たちへの感染が、これから爆発的に増える可能性はある。Jリーグ側は、そのへんも懸念して白紙としたのでは?」(同)
緊急事態宣言を受け、Jリーグ事務局は、7都府県を拠点とする18クラブすべてで、活動休止や全体練習中止などの措置を取ることを発表。これにより、Jリーグ内の感染爆発がなんとか免れればいいのだが……。
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