安倍首相は自分のカミさんさえ「制御」できないのに、新型コロナウイルスを制御できるのか
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
さて、コロナの拡大に、何ら有効な手を打てずにいる安倍首相を尻目に、小池都知事は精力的に発言しているように見える。だが、志村けんの死を、「コロナの危険性を伝えてくれた最後の功績も大きい」といって、「死者を冒涜するのか」「功績といういい方はおかしい」と批判を受けたり、「目立ちたい」が目立ち過ぎて、舌禍が目立つ。
また、安倍が望む東京オリンピック延期に協力し、その見返りとして安倍から、次の都知事選で反小池の都議会自民党に「矛を収める」よう指示させたというのだ。
したたかな小池は、コロナ感染でも、このままでは「ロックダウン」せざるを得ないと、強い都知事を演じ、安倍のお株を奪おうとしている。
一方の安倍首相だが、コロナ感染拡大への有効な対策も打ち出せず、経済の急速な悪化や「自粛」のために給与ももらえず、突然解雇された人たちへの補償にも言及しない姿勢に、批判が高まっている。
そんな中で、延期された東京オリンピックを来年7月に決定してしまった。IOC側の意向ではなく、何が何でも自分の任期中にやりたいという安倍が、ゴリ押ししたのであろう。
呆れ果てるが、安倍政治とはそんなものだと諦め、異議を唱えず、無関心な人間が多いように見える。
安倍政治の唯一の“功績”は、国民に政治を諦めさせたことだと喝破したのは、元自民党で建設大臣までやった中村喜四郎である。中村はゼネコンからの収賄事件で逮捕・有罪になった。刑を終えて出て来ると、小泉純一郎の郵政選挙に無所属として出馬し当選。14期連続で議員バッジをつけているモンスターのような男である。
彼のインタビューを中心に、中村喜四郎という人物を描いた『無敗の男』(常井健一・文藝春秋)が話題である。公選法違反疑惑の渦中にある河井案里が読んで、絶対議員を辞めないと決意を新たにしたという。
中村は、小沢一郎などと組んで野党共闘を仕掛けているといわれるが、安倍政権批判が的を射ている。彼は、野党がだらしないといわれるが、そうではなくて、安倍政権は、国民に政治を諦めさせることに成功した特殊な長期政権で、自民党内に自浄作用がなくなったからだと指摘している。私も、日本政治の本当の危機は、そこにあると思う。
新潮で作家の楡周平が、「東京五輪は来年も開催できない」という一文を寄稿している。要は、ヨーロッパやアメリカ、日本でコロナの感染が収まったとしても、アフリカ、中東、南米などの途上国で感染爆発が起こり、それが終息しても「完全な形」での五輪開催は困難だというのである。
まだ特効薬さえ見つかっていないのだから、再延期または中止という最悪の事態はあり得ないことではない。
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