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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 安倍首相はコロナ制御できるのか
週刊誌スクープ大賞

安倍首相は自分のカミさんさえ「制御」できないのに、新型コロナウイルスを制御できるのか

 さて、森友学園問題の文書改ざんをさせられて自殺した赤木俊夫の妻の「全告白」を文春がやっている。

 彼女は、「安倍首相や麻生大臣の姿を見たり声を聞く時は、身体の中の血液が凍りつきます」というが、この問題をもう一度再調査するべきだという署名が25万人を突破したことを聞くと、「血液が湧き立つような感覚がします」と語っている。

 夫は生前常々、「僕の契約相手は国民です」といっていた。だが、この問題に関わった官僚や官邸、それに安倍首相と昭恵夫人は、この言葉の意味を全く理解していないようだ。

 ところで、ここで、先週入れられなかったいくつかの記事を紹介してみたい。残念ながら今週は、紹介するような内容がなかったので。

 週刊朝日で小泉純一郎元首相が、赤木の遺書について聞かれ、安倍首相の責任は?

「あるよ、十分に。そもそも公文書改ざんは、安倍さんが『自分や妻が関わっていたら総理も国会議員も辞める』と国会で言ったことから始まっている。私はその発言を聞いたとき、辞めざるを得ないなと」

 この問題に安倍首相が関わっていたと?

「誰が見たって関わっているというのはわかるじゃないか。(中略)安倍さんはあの状況で関わっていないことをどう証明するのかね。嘘を言っているということだろう」

 安倍政権は間違いなく終わっている。

 サンデー毎日で、反骨のジャーナリスト・斎藤貴男が、ウルトラ右派雑誌の雄、月刊『Hanada』の花田紀凱編集長に切り込んでいる。

 斎藤は、花田が文春編集長時代に記者をやっていたことがあるそうだ。2回にわたって計5時間ぐらい“対話”したそうだが、内容的には齋藤の切り込み不足で、花田の優勢勝ちである。

 一番いけないのは、齋藤が、誰の書いたこの記事のここが間違っているという、インタビューのイロハである聞き方をしていないことだ。例えば、青木理について批判した記事に対して、「彼は、一方的な批判も甘んじて受けないといけない政治家や財界人とは違う。在野の人です。それを、ああまでこき下ろすからには、相手の言い分を聞くべきですよ」といっているが、「ああまでこき下ろす」ではなく、具体的にその箇所を示し、ここが間違っているというべきである。

「性暴力」を受けた伊藤詩織のことを批判する小川榮太郎の記事に対しても、「花田さんは、2人の間に起きたことについて嘘を言っているなどと批判する記事を、民事裁判の1審判決に先立ち繰り返し載せた」というだけ。花田が、「記事が明かしたように、彼女の言い分には随所に矛盾や嘘がある」と返されて、それで終わりになってしまう。

 結局、花田編集長が後記で書いているように、「貴男ちゃんとの対談は楽しい時間だった」などとあしらわれてしまうのだ。

 私事だが、だいぶ前に、某ネットメディアで、花田直撃をやろうと思い、花田編集長にも快諾してもらっていた。そのために月刊『Hanada』を5,6冊買いこみ読み始めた。だが読み進めるうちに、この世の中でこんなねじ曲がった考えをする書き手がいることに心が萎え、インタビューする気力が失せてしまった。花田編集長には失礼なことをしたと思う。

 私も齋藤も、リベラルを標榜している人間は、正しいとか間違っているというのではなく、確固たる信念を持っているウルトラ保守派には、よほどの下準備と覚悟をもって相対しないと、なかなか歯が立たない。そう思いながら読んだ。

 同じサン毎のコラム「2050年のメディア」で下村進が、加藤晴之のことを「伝説のフリー編集者」だと褒めたたえている。一緒に仕事をした私としては嬉しい限りである。

 加藤は講談社を定年後に、PKO隊員の死を扱ったノンフィクション『告白』(講談社)をプロデュースして、これが講談社ノンフィクション賞を受賞した。その後も、JR東日本のドン・松崎明について書いた『暴君』(小学館)や、大きな話題になったトヨタの内幕を描いた『トヨトミの野望』(小学館文庫)などを次々にプロデュースしている。

 講談社時代には百田尚樹の『海賊とよばれた男』を出して大ベストセラーにした。やや短気なところはあるが、人間的にも魅力のある好中年である。

 サン毎の編集長が隈元浩彦から坂巻士朗に代わる。隈元の長い編集長後記に、私が上智大学でやった2009年5月の「週刊誌がなくなっていいのか」というシンポジウムのことを書いている。隈元編集長がサン毎で目指したのが「雑誌ジャーナリズムの復権!」だった。まだ道半ばでの退任は心残りだろうが、その志は受け継がれると思う。

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