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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 志村けん訃報とテレビ界のコロナ対策
テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

志村けん訃報と、テレビ界に広がるソーシャル・ディスタンス

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(3月29日~4月5日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

太田光「この距離感すごいよね。つまんない不条理劇みたいに見えてきた」

 先週は、テレビ番組でソーシャル・ディスタンスが始まった週だった。新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、出演者がお互いに一定の距離を確保する。そんな光景が、生放送の番組を中心に見られるようになった。

 出演者の立ち位置を互い違いにしたり、セットの端から端までタレントが並んだり、スペースを確保するために出演者を絞ったり。ソーシャル・ディスタンスを実践するため、各番組では試行錯誤が見られた。

 そんななか、最も厳格な対応がとられていたのは、3日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)だろうか。この日の放送は3時間の拡大版だった。

 オープニングは、タモリと並木万里菜アナが離れて立つ画面から始まった。当然、観客はいない。続けて並木アナが、この日の放送は新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮しながらお送りすることを伝える。

 いつもならここでアーティストの名前が次々と呼ばれ、セット奥から登場する。しかし、今回そんなシーンはなく、MCのあいさつが終わるとすぐに乃木坂46の歌が始まった。

 その後も、アーティストが歌うときだけ順番に出てくる展開が続く。出演者がみんな後ろに控えて座る、という同番組のいつもの光景は見られない。ステージとMCの場所は大きく離れており、曲の前後にタモリと出演者がトークをするときも、距離が縮められることはない。これでは同番組のスペシャル恒例、タモリに扮したTOKIOの城島茂とタモリの2ショットが見られないわけだけれど、それはコロナが理由じゃない。 

 そもそも出演者がスタジオにいない、というリモートワーク形式の番組も出始めた。『NEWS23』(TBS系)では1日の放送から、メインキャスターの小川彩佳アナがスタジオとは別の場所から中継で出演していた。TBSの社内で感染者が確認されたことに加え、小川アナが現在妊娠中であるための措置とのことだ。

 関西では放送がないので私は見られなかったけれど、『王様のブランチ』(同)でもタレントがリモートワーク形式で出演していたようだ。同様の措置をとる番組は他局でも増えるのだろう――と書いている最中にも、目の前のテレビで流れている『ヒルナンデス!』(6日、日本テレビ系)では、ナンチャン以外のメンバーが中継で出演している。

 状況は刻々と変化している。番組収録自体を休止する局も出始めた。5日の『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、太田光が「この距離感すごいよね。つまんない不条理劇みたいに見えてきた」と触れ、緊張を笑いに変えて場を和らげていた。が、そう言える場があるだけ、現段階はまだマシなのかもしれない。そのうち、そんなことも言えなくなってくるのだろう。いくところまでいくのだろう。

 すでに再放送が増え始めている。そのうち、ゴールデンタイムでも再放送が始まるのではないかと思う。できれば城島によるタモリの過去のモノマネをもう一度見たいが、この願いはやはり別の事情でかなわないかもしれない。

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