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日刊サイゾー トップ > 社会  > 産業医が解説する「自粛」の難しさ

「自粛できない人」はどんな人なのか? 産業医が解説「自制心は健康不安と社会的抑圧のバランスに左右される」

急ごしらえの公共心は必要なし。まずは想像することから

「地球全体の問題だから、自分の行動が社会への不利益になるという、中長期的な想像力を持ちましょう……というのが、教科書的な回答だと思いますが、抑圧があまりに強すぎても、人は長持ちしません。特に今回は、長丁場になる可能性も高い。

 だからこそ、今は感染が防げれば、手段はなんでもいいと思うんです。急ごしらえの公共心を持つ必要もありません。まずは目の前の人を想像して、子どものために、同居しているおばあちゃんのために我慢しよう……そう考えることから始めてみてください。とは言っても、20代の一人暮らし男性なら、それも想像しにくいかもしれません。その場合は、“サッカー観戦のあとにゴミ拾っているやつイケてる”って感覚を大事にしてほしいですね。みんなで戦っている時に、自分だけ花見をして、それをSNSにアップしているのはかっこ悪い。そういう空気が、変化の第1歩になるのではないでしょうか」

 緊急事態宣言も発出へ向かい、予断の許せない状況が続いている。4月5日にはついに、都内における1日の感染者数が143人と、拡大の勢いも増すばかりだ。「心を入れ替えるのではなく、今かっこ悪いことはしない」。その思いが、伝染していくことを願いたい。

大室正志(おおむろ・まさし)
1978年、山梨県生まれ。大室産業医事務所代表。産業医科大学医学部医学科卒業。都内の研修病院勤務、産業医科大学産業医実務研修センターを経てジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社統括産業医、医療法人社団同友会産業医室を経験し、現職。専門は産業医学実務。メンタルヘルス対策、インフルエンザ対策、生活習慣病対策など企業における健康リスク軽減にも従事する。現在日系大手企業、外資系企業、ベンチャー企業、独立行政法人など約30社の産業医を担当。

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最終更新:2020/04/07 11:00
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