志村けんが台湾に与えた大きな影響ーー「まるで親戚のおじさんみたいだった」テレビ界にも爪痕残す
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志村けんの死をめぐり反中感情が爆発
台湾は1月から新型コロナウイルス(COVID-19)を「武漢肺炎」という名称で各社メディアが報道を行っていた。親中派と呼ばれるニュースサイトや番組も例外ではなく、「スペイン風邪」や「香港脚(水虫)」と同じく病気の発生源を呼び名としているため、その延長線上のようだった。また、「武漢肺炎」は2020年2月11日にWHOが「COVID-19という名称を使用せよ」と指摘する前から散々使われている単語なので、現在も台湾では「COVID-19」が定着していないのが現実だ。
しかし、それを快く思っていない中国ネットユーザーは多い。「武漢で発生したから武漢肺炎でいいじゃないか」という他人のつぶやきに、「この台湾省が(台湾を国としてではなく中国の一省であることを示す)」「新型コロナウイルスって言え」と突然リプライを送るといった荒らし行為も後を絶たない。こうした「武漢肺炎」という呼び名を許さない勢力が、腹いせに台湾で大人気の志村けんさんのウィキペディアを改ざんしたのではなかといわれている。
これを見た台湾ネットユーザーは激怒。ツイッターでは、「『アメリカ肺炎』『日本肺炎』『イタリア肺炎』の次は台湾か~責任転嫁だなあ」「愛する人が流行の病で亡くなることがどんなにつらいことか。それでも自分の面子を優先しようとするのか」「そもそも台湾肺炎って…いつも中国と台湾は一つの国!って言ってるくせに都合が悪くなったら切り離すのね」など、辛辣な意見が噴出した。
さらに、「そもそも武漢肺炎がなければ志村さんは死ななかったんじゃないか?」「事実を隠蔽していなければ」と炎上は続き、立法議員の王定宇さんまでもが「台湾肺炎だなんて、中共(中国共産党の略称)はいつだってイヤな奴らだ」とフェイスブックで発言している。現在、志村氏のウィキペディアから台湾肺炎という文字は削除されたが、SNSには怒りの声がいまだに溢れかえっている。
こうして台湾では「皆の大好きな志村けん」と「肺炎の出どころ」「中国と台湾の関係」というナイーブなトピックが重なったことで、大炎上に繋がったわけだが、それほどまでに志村氏は愛された存在だったのだ。この病気さえなければ……こんなことを言い出せばキリがないのは誰もがわかっているはずなのだが、空いてしまった心の穴はあまりにも大きい。
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