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睡眠3時間、右手がダメなら左手……なかやまきんに君「今だから話せる」筋肉留学の真実

「筋肉留学」というパワーワード

――そして「なかやまきんに君」になったわけですね。

きんに君 600人くらいいたNSC(吉本総合芸能学院)の中で、講師や先輩方に覚えてもらうにはどうしようかと考えた時に、常にタンクトップでいるようにしたら先輩から声をかけてもらえるようになったんです。周りの人よりもどう一歩出るかをまず考えるという点は、今もずっと変わらないですね。筋肉留学もその延長だったと思います。

――「筋肉留学」という四字熟語の放つパワーすごかった……。

きんに君 あれも、ただそういうワードを作っただけなんですけど(笑)。19歳ぐらいの時に読んでいた「月刊ボディビルディング」や「アイアンマン」で、筋トレの聖地である西海岸・ベニスビーチの特集をやってたんですよ。ビーチ沿いでランニングしたり筋トレしたりしてる人たち見て、「いつかここに住んでみたい」って。あともうひとつ、やっぱりハリウッド映画やアメリカのテレビに出たいなっていうのがあったので、そこが2つまとまって、筋肉留学に行ったんです。そのために、『筋肉番付』(TBS系)で活躍して貯金だけはしておいて。

――『筋肉番付』の賞金を筋肉留学に……。

きんに君 芸人になった時も、周りに「無理」「無理」って言われる中、1回ぐらいはテレビに出られるんじゃないかって。それと同じ感じで、アメリカでも筋肉があってちょっと変な英語をしゃべって、なんかで1回ふわっとぐらいはいけるかなって思っていたんですよ。

――帰国後、テレビでアメリカ時代の写真の目が死んでるとか、線が細くなって帰ってきたとか、筋肉留学は失敗だったんじゃないか的なイジりをされたりしていましたが、実際、筋肉留学はどうだったんでしょうか?

きんに君 いや、めちゃめちゃよかったと思うんですよ。まず、違う文化を体験するっていうことがめちゃめちゃ勉強になりました。やっぱりアメリカ人的な考え方――親子の関係とか、人前で堂々と振る舞うこととか、コミュニケーション能力高いなとか、個人主義で、男女平等なんだなとか……僕が見た一面ですけどね。そういう人としての学びがあったんですよ。筋トレももちろん最先端で、自分がガリガリに見えるし。

――本場はすごいんですね。

きんに君 みんなすごい。骨格からして全然違う。だから行ったことはめちゃめちゃよかったんですけど、だからといって、毎日楽しかったかって言ったらそれは別物で。ただ僕の考えで「真剣に何かをやっていたら、必ずいつか役立つ」という、それもやっぱり筋トレから学んだんですけど。若手時代、筋トレばっかやっていると「おまえそんなんやって……」って、周りから言われてました。若手の頃はやっぱり先輩と飲みに行って、そこでトークの勉強もする。エピソードもいっぱいできる。芸人としてはプラスのことが多い。だけど僕はそこに行かず、筋肉トレしていたわけです。でも、いつもトレーニングしながら「こんなに自分を毎回超えていたら、必ず何か役に立つはずだ」というのは常にあったんですよ。これ……ただの不思議なエピソードなんですが……。

――なんでしょう!?

きんに君 NSCに入る前から好きだった番組、いつか出たいと思う番組があるじゃないですか。それをトレーニングの時に強く思うんですよ。もしこうやって限界まで来たら、これができたら俺あの番組出てこうなるんだって強く思う。そうすると、本当にたまたまだと思うんですけど、1カ月ぐらい後に実際にオファーが来たり。それが3~4回あったんです。『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)もそうだったんですよ。脚のトレーニングきつい時に、「めちゃイケ出たい、最後これだけいったら、俺は岡村さんと仕事するんだ」みたいな。それは不思議な体験でしたね。

――それ、筋肉引き寄せの法則では……。

きんに君 筋トレではまず肉体的な限界が来て、その後に心理的な限界が来るらしいんです。だから、その心理的限界に肉体的限界をどれだけ近づけるか、みたいな。きついとやめたくなるのは体が危険を感じるためで、脳にやめさせるように乳酸の刺激を送る。でもそこ、本当はまだ余力がある状態とよく言われていて、より肉体を慣らして、それぞれの限界を近づけていく、これが成長だと思います。

――筋トレやめたいなと思うことはありますか?

きんに君 それたぶん……1回もないですね。お笑いも、絶対にやめはしませんが、アメリカから帰ってきた直後は震災もあって、仕事が全然ない。3年ぐらいずっと暇だったんですよね。1週間ぐらい何もすることがない中で、筋トレだけはやった。毎日「今日も頑張った」って思える何かがあった。もし筋トレがなかったら、食べるものも気にしないし、気持ち的にドーンと落ち込んでたかもしれない。

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