睡眠3時間、右手がダメなら左手……なかやまきんに君「今だから話せる」筋肉留学の真実
#インタビュー #YouTube #筋トレ #なかやまきんに君
筋肉としてのライバルには負けられない
――ちゃんとマーケティングされている。
きんに君 僕はお笑いを今までやってきたので、自分で考える「こういうことをやったら面白いんだろう」を最初やろうとしてたんですよ。それももちろん大切なんですけども、同じくらい「どういうのを見たいのか」も大切だと。ただこれはやっていかないとわからないので、視聴者の反応を見ながら。でも、お笑いも同じなんですよね。ネタをやって、お客さんの前でやって「こういうところがウケるのか」って知るんです。それで少しずつ方向性が出てきて「こういうのも面白いかも」ってアイデアも出てきて……なんかそういう感じですね。
――すごく真面目だし、勉強家だ……。
きんに君 当時、筋肉系YouTuberのインスタのアカウント見た時に、びっくりしたんです。めちゃめちゃフォロワーがいたんですよ。今はYouTubeも芸能界もそこまで垣根ないですけど、2年前だと、まだそれほどでもなかった。なぜ筋トレ系でYouTubeやってる人が……特にテレビも出てないのにこんなにフォロワーがいるんだろう? と思ったんですよ。
――わかります。自分の全然知らないスターがいる、みたいな感じ。
きんに君 そう。で、動画も見るじゃないですか。「あ、なるほど。こういうことをやってるのか」と思って。「こういうのだったら僕もできるな」とか。当時「筋肉でお笑いやってる人」というより、純粋に「筋肉としてのライバル」には負けられないっていうのがあったんですよ。いま筋肉ブームって世間は言いますけど、僕はずっと筋肉でお笑い芸人をやってきた。要は芸能界にいようがどこにいようが、結局自分で仕掛けていかないと、何も来ないんだなって思ったんです。筋トレ系の人はそのブームに乗って、なおかつすごい結果も出している。だからYouTubeに行くのに抵抗はまったくなかったですね。むしろ「ここならこういうのもできるかも、楽しみだな」っていう感覚。
――「筋肉としてのライバルには負けられない」かぁ……。芸能人であろうとなかろうと、“筋肉という名のもとに平等”みたいな。
きんに君 「芸能界一の筋肉」っていっても、一般の人と比べてレベルが高いわけじゃないじゃないですか。世の中にはバリバリにやってる専門の人がいるわけで。だから僕は芸能界一でいいやと思ったことはないですし、一般の人にもやっぱり筋肉だけは負けられないみたいな気持ちがある。それは筋肉のサイズがどうとか素質がどうとかっていうよりも、想いの部分です。
――想い……。
きんに君 もっと研究したいとか勉強したいとか、そういうところでは負けられないなって。単純に筋トレが好きなのもあるけど、「芸能人一」と言われてもそんなにうれしくないというか。そこを目指してはいません。
――そもそも最初になかやまきんに君を見た時の衝撃って、筋肉がお笑いになるとか、筋肉が面白いっていうのが、まずもって考えたことがなかったんです。筋肉ルーレットとか、この人はどこでそういう思考が生まれたんだろう? と。
きんに君 小学校から高校までバスケをやっていて、高3で引退してからジムに行きだしたんです。それがたまたまボディビルのジムでマニアックなところだったので、だんだんその世界にはまっていきました。一方で、お笑い芸人になるのは決めてまして。だから僕も、最初こういう(筋肉の)笑いをやっていこうとは思ってなかったんですよ。ただ単に筋肉を鍛えることは格好いいし好きなので、筋トレだけは欠かさずしてました。当時は女性から「気持ち悪い」とか「ムキムキで変」っていうイメージを持たれがちだったんですけど、僕の中では「こんな格好いいのに」とは思っていました。
――確かに、“筋肉冬の時代”があったかと思います。
きんに君 筋トレして体ができた時点で、もうめちゃめちゃ格好いいし、必ず何かが起こる。これで売れるとか、お笑いとつながるとまでは思っていなかったですけど。だから「気持ち悪い」「脳みそまで筋肉」とか言われても「いや、まだこの格好良さがわかってないのかな」くらい(笑)。それは、お笑いや芸能界に対する気持ちにも似てるかもしれないです。みんな1回は憧れるじゃないですか、芸能界。僕の場合は筋肉に憧れてそのままやったっていう感じですね。
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