パチンコだけは営業「自粛外」で見え隠れする安倍晋三首相の“有力スポンサー”
#政治 #パチンコ #安倍晋三
新型コロナウイスル感染拡大の非常事態の中で、ほとんどの国民がこの疑問を抱いているはずである。
「なぜ、パチンコだけ営業自粛要請がされないのか」
そもそもパチンコ店は、政府が避けるべき場所として挙げている「換気が悪い密閉空間」「人が密集している」「近距離での会話や発声」という3条件がほぼ完全に当てはまる。繁華街のクラブ、バーへの立ち入りから外食の自粛まで求められている東京都でも、いまだに都心の一部パチンコ店では客が密集している。
実際、大阪府堺市のパチンコ店では新型コロナウイルス感染者が来店していたとして、3月上旬に休業している。それにもかかわらず、政府はパチンコを名指しして自粛を呼びかけることはしていない。
3月10日の官房長官会見では記者から「パチンコ店への営業自粛は要請しないのか」との質問が出たが、菅義偉官房長官は「政府の基本方針を踏まえ、(警察庁が)パチンコ業界で適切な対応を取られるよう指導するだろう」と答えるのみだった。裏を返せば何もしないと言っているに等しいだろう。
安倍政権はなぜここまでパチンコ業界を擁護するのか。その背景を全国紙政治部記者はこう語る。
「ギャンブル規制などに絡み、パチンコ業界が政界と深く結びついているのは周知の事実です。業界団体の1つであるパチンコ・チェーン・ストア協会(PCSA)には、政治分野アドバイザーという名目で40人の国会議員が名を連ねており、自民党からは竹本直一IT政策担当大臣や野田聖子元総務会長など22人も入っている。遊戯業振興議員連盟やIR議連と重複する自民党議員も8人いる。いわゆる『パチンコ議連』が存在するため、業界に対しては常に気をつかっているのです」
PCSAの政治分野アドバイザーには、国民民主党や立憲民主党の野党議員も加わっており、野党から厳しい追及が出ないのも、こうした背景があるのだろう。
さらにもう一つ、安倍晋三首相自身の「スポンサー」が影響していると見る向きもある。山口県下関市にある安倍晋三事務所の敷地の所有者は「株式会社 東洋エンタープライズ」。同社は下関市でパチンコ店「永楽」を経営している企業で、安倍首相はパチンコ店経営を主体とする企業から地元事務所を「賃借」してもらっている関係なのだ。
さらに、東洋エンタープライズの親会社は福岡市に本社を置くパチンコ業界大手の「七洋物産」だが、同社を創業した故・吉本章治氏は安倍首相の父・晋太郎氏の頃からの「有力支援者」だった。
安倍家に詳しいジャーナリストが解説する。
「下関市の高台に位置する約2千平方メートルに及ぶ安倍家の豪邸の敷地は、元々、吉本氏が経営する東洋エンタープライズの所有地でした。しかし、パチコン業界から政治家への政治献金が国会で問題化していた1989年に、共同通信が安倍氏の事務所や自宅までが『格安』で賃貸されていることを問題視する記事を掲載。安倍家の豪邸は『パチンコ御殿』などと揶揄されました。そこで慌てるように90年には自宅の名義を晋太郎氏に移し、現在は晋三氏の所有となっています。しかし、事務所はいまだに東洋エンタープライズ所有のまま。下関市に地盤を作るのに苦労した晋太郎氏の時代から支えてくれた『パチンコ業界』に安倍首相は恩義を感じているのではないかという話は地元でも多く聞かれます」
4月に入ってから、ようやくパチンコ大手の「マルハン」などが東京都内の店舗に限って週末の臨時休業に乗り出したが、政府からいまだ表立った強い自粛要請は出ていない。東京都以外では野放しの状態が続いているのだ。
政治的なしがらみゆえにパチンコ店だけが放置されている実態は、政府への不信感を増大させる大きな要因になっている……とは言い過ぎだろうか?
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