トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed

“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が熱弁!「志村けんは人間国宝に値する存在だった」

ハレンチな部分もあっての大スター

――キャリア後期の志村さんに対する印象は?

瓜田 『天才!志村どうぶつ園』(2004年~/日本テレビ系)が始まった頃は、ちょっと寂しさも感じました。やりきったからなのか、戦士の休息なのか、そこはわかりませんでしたけど、コメディアンとして一線を退くというか、かつてのように全開でバカをする機会が減ってきたじゃないですか。でも、おそらくですけど、彼はあの頃から時代の流れ読みつつ、研いだ刀をさやの中にそっとしまったんじゃないかって気がします。

 バカなことをできなくなったんじゃなく、あえてしなかった。しむけんはイケメンですからね。昔の名前で担がれて、今しゃしゃり出てギャグをしたら、イタくなる。そういうふうにはなりたくなかったんじゃないかな。勝俣州和なんかがよく、萩本欽一を伝説扱いして語るけど、欽どこ世代じゃない若い視聴者はさめるだけ。そうならないために、うまくただのバラエティタレントに徹していた。そういうスマートさも、いかにも東京の人だなって感じがします。すべてが、あか抜けているんですよ。

 近年は深夜の『志村でナイト』(18年~/フジテレビ系)で、千鳥の大悟らと、力の抜けたコントをやっていたじゃないですか。あの中でたまに見せる自然な感じの笑顔からも、完全に一線を退いて、未来の子たちに託している感じが出ていたんですよ。その引き際のよさというか、未練のなさみたいなところにも、格好良さを感じました。その一方で、プライベートで時折変態っぽさをチラ見せしてくれるところがかわいかったですけどね(笑)。

――と、申しますと?

瓜田 3年ほど前、しむけんのインスタグラムにチンコ画像が投稿され、即座に削除される騒動があったほか、亡くなる前の月にもインスタに美女の写真が突然アップされ、一瞬で消えた、という出来事があったんですよ。それらのニュースを見たときに「さすが! いまだに現役なのか!」と笑いながら感動しました。そういうハレンチな部分がチラチラ出てくるからこそ、大スターなんですよ。あれはうっかり誤爆したわけでもアカウントを乗っ取られたわけでもなく、本人がわざとやったんじゃないか。そう思わせてくれるところが面白いじゃないですか。

――つくづく惜しい人を亡くしました。

瓜田 日本の太陽が沈んだも同然です。次に同じような光を照らす存在は現れないかもしれない。でも、悲しんでばかりもいられません。現実をちゃんと受け止めて、コロナ対策もしっかり行いつつ、「だいじょうぶだぁ」と笑って前向きに生きることが、しむけんに対する何よりの供養になると思っています。

(取材・文=岡林敬太)

瓜田 純士(元アウトローのカリスマ)

1979年、新宿歌舞伎町生まれ。元アウトローのカリスマ。著書に『ドブネズミのバラード』(太田出版)、『遺書〜関東連合崩壊の真実とある兄弟の絆〜』(竹書房)など。

記事一覧

Twitter:@Junshiurita

瓜田純士プロファイリング

うりたじゅんし

最終更新:2020/04/06 10:17
123
ページ上部へ戻る

配給映画