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“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が熱弁!「志村けんは人間国宝に値する存在だった」

撮影=おひよ

 志村けん(70)の訃報を受け、“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士も大きなショックを受けている。少年時代もヤクザ時代も、志村を見て大笑いしてきたという瓜田。「太陽がいきなり落ちて、暗転した気分」と落胆しつつ、今は亡きしむけんの面白さ、偉大さ、愛らしさについて熱弁した。

――志村けんさんが先月末、新型コロナウイルスによる肺炎が原因で亡くなりました。

瓜田純士(以下、瓜田) 「コロナにかかった」という第一報を受けた段階で、かなりショックを受けたんですよ。酒豪であり、元ヘビースモーカーであり、過去に肺炎を患ったこともあると聞いていたので、大丈夫かな、と不安を感じました。

 それでも日本の宝ですから、ファンの祈りが通じて、もしかしたら今回は助かるんじゃないか……と希望的観測を抱いていたんですが、数日後に亡くなってしまい、とても落ち込みました。面識はないんですけど、ずっとテレビで見続けてきた存在ですからね。

――芸能人は年間に何人も亡くなりますが、その中でもひときわショックでしたか?

瓜田 もちろん。しむけんは、ちょっと別物じゃないですか。みんなを照らしていた太陽がいきなり落ちて、真っ暗闇になってしまったような出来事でした。言い方は悪いですけど、他のお笑い芸人と一緒にしちゃいけないレベル。しむけん以上のコメディアンは、国内にいなかった。人間国宝に値する存在だと思うんです。たとえば俺、ビートたけしも好きですけど、それはマルチな才能が好きなんであって、ことコメディアンというジャンルにおける至宝はやはり、しむけんだと思います。

――1979年生まれの瓜田さんでも、そう思うんですね。

瓜田 『8時だョ!全員集合』(1969~85年/TBS系)については、ガキだったから記憶があまりないんだけど、それでも俺はしむけん世代なんですよ。『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(86~92年/同)が特に好きで。

――『ごきげんテレビ』のどんな部分が好きでしたか?

瓜田 「THE DETECTIVE STORY(探偵物語)」というコントが特に好きでした。ザ・ドリフターズの中でも、しむけんと一番相性のよかった加藤茶とコンビを組み、私立探偵をするんです。毎回ちょっとシリアスな感じで始まって、壮大なコントを長々と繰り広げて、最後にくだらないオチがあって、ずっこける。そうなることはわかりきっているのに、しむけんがやると、どんだけ長く引っ張られても、オチを待っていられるんですよ。実は俺が今やっているYouTubeは、このコントにインスパイアされている部分もあるんですよ(笑)。

『志村けんのバカ殿様』(86年~/フジテレビ系)も、オチまでが長い。それがしむけんの世界観なんでしょうね。ほかのやつだったら許されませんよ、あんなことで長時間使うなんて(笑)。でも、しむけんだからそのわがままが通る。スベったって、あの「あはははは」という笑いのSE(効果音)が入るからスベったことにならないし。

『志村けんのだいじょうぶだぁ』(87~93年/同)の屋台コントも好きでした。最後の最後に、客の柄本明が言う「俺、お金持ってないのよ」。たったその一言のために、長々とくだらない会話劇を繰り広げるんですよ。それでもチャンネルを替えたくならなかったのは、最後のオチを見て大笑いしたかったからでした。

――コント職人としてのこだわりが、ハンパじゃなかったそうですね。

瓜田 『THIS IS IT』 のマイケル・ジャクソンみたいな感じだったんじゃないでしょうか。タライ落としの高さやタイミングにも、相当こだわっていたそうですから。先ほどの屋台コントでも、最後に怒ったしむけんが屋台を崩すのがお決まりなんだけど、倒れた屋根がちゃんと、柄本の頭にぶち当たって穴が開くように作ってある。計算し尽くされているし、ものすごいお金もかけている。大道具さんや美術さんに相当なわがままを言って作っている感じなんですよ。

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