陣内智則、品川庄司…芸人が続々YouTube進出でも「カジサックに遠く及ばない」現実
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多くのタレントが公式YouTubeチャンネルを開設している昨今。徐々に目立ち始めているのが、中堅芸人の進出だ。
今年2月には陣内智則が『陣内智則のネタジン』を、3月28日にはココリコ遠藤章造が『ココリコ遠藤のヘンなカタチ』を開設した。また、それぞれ個人ではチャンネルを持っていた品川庄司も、3月31日にコンビでの公式チャンネルを開設している。
「特に吉本はYouTubeのチャンネル開設にかなり積極的。スタッフやノウハウも含めて、事務所サイドが全面的にサポートしてくれるので、事情がよくわかっていない中堅芸人も気軽にチャンネルを開設しているようです」(お笑い業界関係者)
テレビではそこまで活躍できていなくても、一攫千金の大チャンスが転がっているYouTube。スケジュールに余裕がある中堅芸人の働き場所としては決して悪くはないとも言える。
「それこそ、キングコング梶原が、仕事が激減しているなか、カジサックとして大成功したことで、吉本も本腰を入れたということでしょう」(同)
しかし、その一方で「YouTubeで成功した芸人はテレビで使いにくい」との声も聞こえ始めているという。バラエティー番組に携わる制作会社関係者はこう話す。
「YouTube特有のノリや話し方って、あるじゃないですか。それがテレビのバラエティーには上手くフィットしないことが多いんです。たとえば今のカジサックさんは、テレビで活躍していた時にくらべると、すごく早口になって、リアクションも大げさになっている。もちろんこれはYouTubeのユーザー向けにかなり研究し、工夫したようです。ただ、もともと“間”で笑いを取るタイプではなかったとはいえ、立ち居振る舞いがすっかりYouTuberです。
そうなってくると、今度は“テレビ芸人”ばかりのバラエティー番組のなかで浮いてしまって、カジサックさんの面白さが全然伝わらなくなる。テレビとYouTubeの双方の面白さを融合しようとすればするほど、失敗してしまうというケースも出てきています」
とはいえ、YouTuberらしい立ち居振る舞いができないと、そこでは成功しないというジレンマもある。
「霜降り明星やかまいたちのように、“旬な芸人”であれば、自分のスタイルのままで動画を配信しても受け入れられるんです。でも、必ずしも旬ではなく、年齢的には中高年に差し掛かった芸人がテレビのノリそのままでYouTubeの動画を配信していっても、違和感の方が上回ってしまう。カジサックさんのようにYouTuberとして振り切ることができないと、成功は収められない。このあたりはすごく難しいところでしょう」(同)
そういった難しさを把握しているのか、陣内はネタ動画の公開に踏みとどまっている。
「テレビとYouTube、両方の世界で人気者になるのは、ほぼ不可能。陣内さんや遠藤さんは、カジサックさんのようにYouTubeだけに絞ることはできないと思います。陣内さんがYouTuber的な動画ではなく、ネタ動画だけをアップしているのも、テレビの世界から離れたくないからでしょう。“テレビ芸人”として需要があるうちは、賢明な判断です」(同)
中堅芸人たちの公式チャンネルが、YouTube的でもなく、かといってテレビ的でもない、なんとも中途半端な動画で埋め尽くされる未来が想像できる。
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