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日刊サイゾー トップ > エンタメ > テレビ  > マウンティング上司にブーメラン!

マウンティングする上司を生態観察しながら逆にマウンティング『必修!マウンティング会話講座』

マウンティングする上司を嘲笑してマウンティングする

 しかし、先輩は先輩で、ただマウンティングしてるだけじゃなかった。飲みニケーションがなくなり、文化の大断絶が起こった広告業界。部下とどう接していいか苦慮する彼らは、古株なりに目線を下げようとした。飲み会以外で部下を誘う方法を話し合ったのだ。結果、導き出されたのは「脱出ゲーム」へのお誘いである。上司から部下へ、以下のようなメールが送られた。

「来週の金曜19:00から、新宿で『脱出ゲーム』に参加するのですが、メンツが足りていません。4人一組なのですが、今、あと2人探しています。○○さんの、臨機応変な対応力と、女性ならではの柔軟な発想。△△君の、我々世代にはない角度からの発言、ひらめきに期待しています。業務ではありませんので、ご都合つけば、ぜひ」

 このメールを見て、広告業界に生きる若手2人は失笑した。

サバ缶「金曜っていうのがイヤだなっていうところからスタートしながら、よく考えられてんなあって。“臨機応変な対応力”とか、こっちに気を使って言ってることが逆に考えすぎてて……。あざとさを感じますね」

 いかがだろうか? 忌憚ない印象を言ってしまうと、この若手社員2人も相当である。終始、「先輩たちから構われて困ってる~」と言わんばかりに上から目線がだだ漏れしているし、上司を小馬鹿にして笑い続ける性悪さも感じてしまう。

 今回のこの番組は、上司→部下のマウンティングを生態観察するだけでは終わらない。俯瞰すると気づくはずだ。実は、「若い世代が上司をマウンティングする」というスタンスを取る番組だったのだ。

 クソバイスをしてマウンティングする上司。でも、アドバイスしていると思っている側が若手にマウンティングされる側面も存在する。もはや、やってやられてが永遠に続く地獄。出口のない戦争である。

 番組として見る分には面白いマウンティング会話。でも、当事者になったら……と想像すると、吐き気を催してしまう。より一層、会社に行きたくなくなる。上下左右、四方八方から交錯するマウンティング。地獄でしかないオフィス。思えば、夢のないオチである。

 今回は広告代理店がフォーカスされたが、ほかの職場もこんなに地獄なのだろうか? もし次があるのなら、今度は別の業界が舞台の講座を見てみたい。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2020/04/01 14:53
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