マウンティングする上司を生態観察しながら逆にマウンティング『必修!マウンティング会話講座』
#アルコ&ピース
パワーワード「視座が高い」でマウンティングを終わらせる
ただ、褒め方にもバリエーションがある。シチュエーションごとに正解は異なる。参考にしてほしいのは、以下の事例だ。
同期と比べ、仕事での実績がない先輩が、ある後輩をつかまえて説教を始めた。
「仕事ばっかりやってても、人脈は作れないから。KGI(経営目標達成指標)よりQOL(クオリティ オブ ライフ)だよ」
この先輩は何が言いたいのだろう? 自分には“仕事のできる上司”のキャラは難しい。だから、“うらやましいプライベートを過ごしている先輩”として地位を確立しようとしているのだ。
サバ缶さんとさゆりさんも、この手の上司には既視感があるようだ。
サバ缶「ハハハ! いますよね。鎌倉辺りに生息している」
さゆり「そっちに行ったんだな~みたいな(笑)」
そう、よくいるタイプなのだ。だから、最適な対策法はすでに確立済みだ。別の社員が2人の会話に割り込み、上司に話しかけることで助け舟を出した。
「最近、Facebookに海の写真上げてますよね? 視座の高さが違いますね~」
「視座が高い」なんて言葉、初めて聞いた! これは広告業界で頻出するワードで、「レベルが高い」という意味のようだ。紛れもなくパワーワードである。OK、覚えた。今度、面倒くさいときに使ってみよう。
パワーワードはほかにもある。自分が書いたFacebookの記事に「いいね!」を押してくれなかったことにへそを曲げる先輩。後輩は「(投稿の)アルゴリズム、イケてないですね」と言い訳をし、言葉を続けるのだ。
後輩「ちょっと、マーク(Facebook創設者のマーク・ザッカーバーグのこと)に言っといてくださいよ!」
先輩「さすがに知らねえわ(笑)」
後輩「とか言って、1個飛ばしたらつながっちゃうんじゃないですか~?」
ちょっと人脈をたどれば、世界のマーク・ザッカーバーグにもつながっているんじゃないですか? という返し。純粋な仕事の成果ではなくコネクションを誇る先輩にとっては、言われて一番うれしい言葉である。
2つの事例を並べると、なんとなく見えてくるはずだ。マウンティングを受けたら、自分を下げるor相手を上げるで相手を満足させないと終わらない。でも、シチュエーションごとに正解は異なる。答えを間違えると、目的のない禅問答はエンドレスである。
サバ缶「日常的にマウンティングは起きてて、話が長い人が多いので、それをいかに速やかに終わらせて仕事に戻るかっていうのが働き方改革ですね」
さゆり「“あ、はい。はい”とか言ってると上司は怒っちゃうんですけど、“すご~い!”とか言っとくとすぐ終わるんで。そっちのほうが実はラクっていう処世術というか(笑)」
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