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さんきゅう倉田の貨「へぇ~!」のはなし【11】

AI投資信託は危ない? 新型コロナショックでわかった”任せられない”ワケ

さんきゅう倉田

 以前から、国は銀行預金より投資を勧めています。子どもにも投資をさせるために、19歳以下が利用可能なジュニアNISAという制度も作りました(不人気で、もうすぐ終わるけど)。

果たして、投資は身近になったんでしょうか。

 東京にいると、若い女性からも「あたい、不動産投資をやっているの」と言われることがあって、時代は変わったな、と感じます。

 株式投資をしようと思ったら、自分で銘柄を選んで売買するか、証券会社などのプロに任せる「投資信託」のどちらかです。

 時間もないし、会社や社会のことを調べるのが億劫なら、プロに任せるのはいいですよね。手数料はべらぼうに高いけれど、プロなら失敗しないかもしれません(実際は、失敗することもあるし、失敗したからといって、そのプロは責任を取らない)。

 そんな投資信託に、新しい流派「AI投資信託」が現れました。

AI投資信託ってなあに?

 今までは、投資のプロがデータや情報を集め、社内のルールに従って行っていた株の売買を、AIの判断に任せて行うのがAI投資信託です。

 人間には不可能な量のデータ処理を行い、より多角的な分析と新しい銘柄抽出によって、株価を予測するようです。

 人間は失敗するけれど機械は失敗しない、機械やコンピューターを作っている人がそう言っているのを聞いたことがあります。ミスはいつも人為的なもので、機械に任せておけば安心だと。

 株式投資では個人的な感情を排除して、自分の作ったルールを変えずに機械的に売買するのが、成功のメソッドだと言われています。

 AI投資信託なら、感情もないし、気分によってルールを変えることもない、まさしく、機械的に売買を繰り返すことができます。

AI投資信託は、絶対成功するのか?

 ただ、AI投資信託が軒並み成功しているという話は聞きません。

 人間より、多くの量のデータを分析できて感情を排除したからといって、適切な売買ができるわけではないんですね。

 なぜかというと、データには過去の動向が含まれますが、未来は過去と同じことが確実に起きるとは限らないからです。

 また、今回のコロナウイルスのように、世界経済に大打撃を与えるような出来事は予想できないし、予想できたとしても現在のAI投資信託では対応できないようです(なんのためのAIなんだ?)。

 また株価は、人間の行動や発言に大きな影響を受けます。

 大手の企業の従業員が、上司のモラハラやパワハラをSNSに投稿したり、アルバイトが不適切な動画をアップロードしたりするだけで、株価に影響が出ます。

 そうすると、そういった出来事を分析できるくらい優れたAIでないと、完璧とは言えません。人間より優れているというなら、AIにはありとあらゆる事案に対応してほしいと思います。

☆今回のポイント

「AIに任せたからといって、安心ではない」

 少しずつ増えているAI投資信託。遠い未来では主流になるかもしれませんが、今はまだ、様子を見る段階のような気がします効果が十分だったら、もっと普及しているはずですよね。偏った情報に踊らされず、安易に手を出さないようにしましょう。

さんきゅう倉田(お笑い芸人)

大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち退職、芸人に。

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さんきゅうくらた

最終更新:2020/04/01 12:12
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