ユネスコ世界遺産の奥底に潜む、謎のベールに包まれた珍スポ遺産「塔公園」
#韓国珍スポ探訪記
ソウル郊外の南漢山にあるユネスコ世界文化遺産「南漢山城」。その城壁に囲まれた山奥に、個人経営の珍なるスポットがあるとのことで足を運んでみた。
南漢山城へは地下鉄とバスを乗り継ぎ約1時間。新型コロナウイルスの影響で外出が自制されるご時世だが(取材は2月末)、アウトドアなら安全という考えからかバス内は多くのお年寄りでにぎわっており、濃厚接触に緊張しながら終点の南漢山城を目指す。
降りたバス停から目的地の「塔公園」まで、歩いて30分ほど。観光案内所の人に道を聞くと、「塔公園?」と怪訝そうな顔をした。かつては恋人たちに人気の散策路だったが、今はだいぶ寂れ訪れる人も少ないと話す。
木々に囲まれた車道をしばらく歩くと、森の中へと誘導する細い道が現れた。ここが塔公園の入り口だ。チャンスン(男女が対になった魔よけの像)が並ぶのはよくある風景だが、その横には場違いなサッカーボール像がうっかり飾られており期待は高まる。
観光客もおらず、静まりかえった渓谷の坂道を登っていく。奥に進むにつれ、石を高く積んだ石塔、十二支や地蔵など民俗的な石像を筆頭に、ブタさんやカエルさんなどキュートな石像や、時空がゆがんだようなアートな石像まで、フリーダムな展示物が続々と現れてきた。
事前に調べたところ、塔公園を取り上げる2本の記事を発見した。2008年8月5日の「スポーツ朝鮮」は、「性をテーマに奇妙な彫刻品が並ぶ、石の彫刻公園が話題」として、「性的な内容とは無関係な作品も多い。しかし(中略)50以上の性関連作品がやはり目を引く」「あまりに露骨的で未成年者観覧不可レベル」「誰がどう作ったのかはベールに包まれている」と紹介。これは気になる話だ。
一方、15年11月4日の「京義日報」には、もう少し詳しい事情が書かれていた。イ・キゴンさん(当時76歳)という男性が「私有地を利用し、20年以上かけ1万2000点以上の骨董品(=石像)と400以上の石塔を設置」したのがこの公園なのだそう。オーナー自ら石を収集し積み上げたとは気合の入った話だが、しかしこちらには性的な作品に関する記述はまったくない。
果たしてエッチな石像はあるの、ないの? 進むにつれ密度の濃くなる作品たちを、ひとつずつじっくり眺めながら先へと急ぐ。
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