無観客収録で声を張る関ジャニ・村上信五に見た、次世代テレビMCの矜持
#関ジャニ∞ #村上信五 #ダチョウ倶楽部 #上島竜兵 #テレビ日記
村上信五「テレビの向こうやないか」
16日の『月曜から夜ふかし』(同)も無観客で行われていた。マツコ・デラックスと関ジャニ∞の村上信五がいつものようにセットの奥から登場するも、客席からの「キャー!」という歓声はない。スタッフのまばらな拍手が響くのみである。
ガランとしたスタジオに、マツコは思わず笑ってしまう。村上は、こんな感想を漏らす。
「これがずっと続くねんで今日。今日俺ら、帰ったらなんかもう、涙ぐむよな。ヘコむタレントいっぱい出てくるで、こんなん」
登場した2人の前には、見慣れない小さな機械が置いてある。機械には、「大笑い」「中笑い」「小笑い」「失笑」「おー」「へぇ~」といったラベルが貼られたボタンがついている。観客がいない代わりに用意された、押すと笑い声などが出る箱だ。
ボックスには「パー子A」「パー子B」と書かれたボタンもある。マツコが押してみると、「ハッハー!」とか「や~だ~、ハッハー!」とか、聞き覚えのある甲高い声が再生される。林家パー子の笑い声だ。観客もペーもいない空間に、パー子の笑い声が鳴り響く。
そんないつもと違う収録で、マツコが唐突に村上に語り始めた。
「っていうか、あんた偉いね。声張ってさ。私、なんだろ、六分(ろくぶ)ぐらいしか力が湧かないもん、今」
マツコはこの番組で、よく若い客とコミュニケーションを図っている。「和泉元彌のダブルブッキング」とか「船場吉兆の女将」とか少し古めの話題を出して、それが通じない若者と自分との世代間ギャップを笑いに変えながら番組を進行している。そんなマツコにとって、観客の不在はパー子ボタンでは埋められないのかもしれない。
マツコと村上の会話は続く。
村上「頑張るよ、そら。緊急事態なんやから」
マツコ「頑張るわ、あんたって。こういう緊急事態の時ってわかるわね、その人の本質。あんたは頑張り屋よ。私はこういう時、ホントやる気が出ないのが自分でわかる。私やっぱ、人に見られてないと嫌なのかな。なんなんだろう、これ」
村上「普段と勝手が違うから、そらしゃあないで」
誰かに見られながらでないと、力が出ない。マツコのそんな嘆息は、ドラァグクイーンとしての性(さが)だろうか。マツコは村上に問う。
マツコ「なんのモチベーションで、あんたいま声張ってんの?」
村上「テレビの向こうやないか」
マツコ「偉いわね!」
現在、ジャニーズ事務所関連のライブも軒並み中止となり、関ジャニ∞が開催中だった全国47都道府県ツアーも途中で中断されている。そんな中、目の前には観客がいないものの、「テレビの向こう」にいる観客に向けて、村上は声を張る。次世代のテレビMCとして名前が挙がることの多い村上の、矜持を垣間見たようにも思う。そんな村上の魅力を引き出し引き立てるマツコとの、組み合わせの妙も改めて思う。
さて、スタジオから観客が消えたり、中止になったスポーツの放送枠を急きょ埋めたり、テレビにも新型コロナの影響が出ているけれど、その余波は予想外のところにも及んでいる。15日の『上沼・高田のクギズケ!』(読売テレビ)で、ダチョウ倶楽部の上島竜兵がこんなことを語っていた。
「僕は、ケンカしてチュッていうのが、もうできなくなりましたね。収録で撮っても、全部編集でカットされる」
濃厚接触の回避が推奨されている今、ケンカからのキスという上島の持ちネタも封印されているようだ。
上島のキスが解禁される日のためにも、やはり手洗いうがいをしっかりしようと思う。
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