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日刊サイゾー トップ > 社会  > “ヘル朝鮮”韓国住宅の本当の実態

半地下のパラサイト家族は存在するのか!? “ヘル朝鮮”があらわす韓国住宅の本当の実態

「チョンセ」が韓国の格差拡大の要因に?

「家主にとってチョンセは、寝転んでいても利息が通帳残高を増やしてくれて、不動産価格高騰によりキャピタルゲインも期待できる、最高の資産運用方法でした。一方で、賃借人の多くは数千万円の保証金を銀行からのローンで借り入れるため、家計に占める借金の割合である家計債務が増大します。

 チョンセは“1円も払うことなく住むことができる”というのは幻想で、実は利息分を含んだ借金を毎月又はローン期間終了後に返済しなければならいのです。OECD(経済協力開発機構)加盟国による家計債務の可処分所得比調査(2020年)では、韓国は186%と6位を占め、日本の107%を大きく上回ります。そして、韓国統計庁などが発表した『2019年家計金融・福祉調査結果』によると、家計債務の内訳は住宅ローン57.9%、チョンセ保証金27.2%、クレジットカード9.9%となっています。

 分かりやすくいうと、韓国人は可処分所得の1.8倍の借金があり、所有することができない賃貸物件のために負債を抱える人が3割近くもいるということなのです。家計債務の増大は、消費支出が少なくなることとイコールです。それは、もっぱら借金の返済のために働き続ける人生を送り、働いても働いても豊かになれない世帯が増え続け、格差が広がることを意味します」(韓国事情通)

 韓国はOECD加盟国中、自殺率1位という不名誉な地位をほぼ例年継続している。また、「ヘル朝鮮」(地獄の朝鮮の意味)という韓国社会の生きづらさを表したスラングもよく使われる。

『パラサイト』は「韓国ではブラックコメディとしての見方が強い」と言われる背景には、韓国独特の住宅制度が韓国人の家計債務の増大を招いているという指摘があることも分かった。住宅制度はその国の文化を背景としたものであり、私たちが単純に是非を論じることはできないが、このような背景を理解した上で、韓国の映画やドラマを観ると新たな発見につながるかもしれない。

金沢健太(ジャーナリスト)

明治大学卒業。"日本一厳しい学校"で日本の昭和体質に長年の疑問を感じており、令和に入り一念発起。ライターとして独立し、古い日本体質、権力に対して疑問を投げ掛けた記事を手掛ける。

かなざわけんた

最終更新:2020/03/17 12:12
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