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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 四千頭身、寺門ジモンを手本に?
テレビウォッチャー・飲用てれびの「テレビ日記」

四千頭身“トリオ芸人の3人目問題”を解決? 寺門ジモンという特殊事例

四千頭身・石橋「僕のこと面白いと思ってないから!」

 盛り上がりは番組中盤にやってきた。2番手・3番手のツラさについて、各トリオが語っていたときのこと。ほかの2人に比べ、ピン(1人)での仕事が自分にはこない、と石橋がボヤいた。

 しかし、後藤と都築は指摘する。お前は自発的に何かをしようとしない、1人での仕事が来るような何かを自分からつくりにいこうとしない、と。

 石橋は反論する。自分は自分なりに考えている。運動神経がいいので、運動系の仕事を得ようとジムにも通い始めたのだ、と。

 都築が再反論する。テレビで主に求められているのは、運動ができない芸人や、年齢を重ねているのに記録が出る芸人だ。若くて運動ができる芸人に、どこまで需要があるだろうか? 石橋に活路があるとしたら、運動ではない。

 この再反論を受けて、石橋は言い放った。

「じゃあなんだと思う?」

 自発的に何かをしないのはいかがなものか、という話の流れだったのに、「じゃあなんだと思う?」という着地。これには後藤が「人に聞くなよ! 自分で考えろ!」と即座にツッコむ。しかし、石橋は引かない。

「俺が考えて提案しても、納得してくれないんですよ、後藤くんも都築も。僕のこと面白いと思ってないから!」

 なんという悲痛な叫びだろうか。自分は仲間からも期待されていない、という心の叫びである。1対1ではなく2対1という小さな社会の構図ができるトリオであることが、悲壮さを一層際立たせる。

 この叫びで、一気にその場の緊張感が高まる。周囲の先輩芸人が彼らをなだめる。しかし、都築が「(石橋は)根本が的外れ」と、さらに追い打ちをかける。そんな都築を、石橋はまっすぐに見つめるのだった。いや、にらみ返すのだった。

 共演者が「テレビに出ちゃいけない顔」と表現する、そんな“ガチ”に見えるキレ顔を見せた石橋。それがどこまで“ガチ”なのかはともかくとして、お笑い第7世代は仲がいい、争いを好まない、というような評価をなぎ倒すリアリティショー的な展開の中で、彼がこの日、最もスタジオを沸かせた。

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