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日刊サイゾー トップ > 社会  > リオのカルナヴァルに学ぶ希望
ブラジル・フォトルポルタージュ【前編】

巨大祭典「リオのカルナヴァル」から学ぶ、人種の多様性がもたらす希望とは?

ブラジルという「国」が持つ多様性

 日本の約23倍、世界第5位の国土面積を誇るブラジル連邦共和国。南米大陸の約半分の面積を占める、南半球最大の国だ。EUの2倍近い面積を持ち(世界第4位のアメリカ合衆国のアラスカを除いた「アメリカ本土よりもブラジルのほうが大きい」ことは、日本ではあまり知られていない)。

 16世紀にポルトガルによって始まった大航海時代以降、世界各地の民族がブラジルに移民し、各地の先住民族と共に混交を続けている。それがゆえに「多国籍にルーツを持つブラジル社会」は多様性にあふれているのだ。さらに、アメリカと比較しても「世界に類を見ない巨大な混血民族社会」という特徴がある。そういった意味からも、ブラジルは「世界でもっとも多様性のある国」と言えるかもしれない。

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 一方、地球の反対側の極東に位置する小国日本はどうだろうか。ブラジルはあらゆる物事が日本に比べて大きく異なり、対象的な国だといえる。だからこそブラジルの人は日本に、逆に日本の人はブラジルに強く魅了されることが少なくない。例えば、ブラジルでは「真面目さ、勤勉さ、集中力のある取り組みが実現する質の高さや正確さ、またブラジルにはない繊細さ」などが日本人の長所であるといわれている。

 逆に、日本にはないブラジルの長所は、「社会的な同調圧力のない圧倒的な個人主義、自由と個性にあふれ、他者の意見を尊重し否定しないこと。そして社会的弱者に手を差し伸べ、見ず知らずの者同士がコミュニケーションを図れるフレンドリーさ」などが挙げられる。

 どちらの国のほうが絶対的に良いとは事柄や場合、価値観によるので、一概に言えることではないが、日本のほうが「社会におけるあらゆる自由度」は遥かに低く、周囲の目や意見を気にして、個人が楽しみにくいと言えるのかもしれない。

 ブラジルを象徴し、まったく忖度しない民衆が個の力を集結し、賛美し合い、その結束や団結を楽しく情熱的に共有するのが、世界最大の祭「リオのカルナヴァル」の素顔なのだ。
後編に続く /文・写真=KTa☆brasil[ケイタブラジル])

マネーロンダリングの通俗的な隠語「ラランジャ」(オレンジ)と、ブラジル社会にはびこるデタラメさの象徴「バナーナ」があしらわれた山車。その中央には現職ブラジル大統領:ボルソナーロ氏を演じるテレビコメディアンがオレンジを投げ続けておどけるというパフォーマンスで注目を浴びた
パレードの最後には嘘つきの象徴:巨大ピノキオが「フェイクニュースの工場」の山車とともに登場

[動画はこちらから]

最終更新:2020/04/15 10:41
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