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『フリースタイルダンジョン』レビュー

『フリースタイルダンジョン』FORKの踏みは芸術の域! 変態的ライムにR-指定が童心に帰る

『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日/AbemaTV)

 3月3日放送『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)に登場したチャレンジャーは、重厚なライミングで数々の大会において輝かしい実績を残すバチスタ。迎え撃つモンスターは……お気の毒な。初っぱな からFORK(ふぉーく)の登場である。「LEGACY」(ICE BAHN)が流れる中、威風堂々と現れるFORKの登場は何度見てもカッコ良い。

 チャレンジャーからすると、FORKや呂布カルマ(りょふ・かるま)が出てくると「うわっ!」とのけぞる気持ちになるのだろうか? 最初から若き芽を潰しにかかるようなエグさを感じるが、この2人の顔合わせには横浜出身 VS 横浜出身の韻踏み対決というニュアンスも含まれている。

FORKの変態的ライムを見て童心に帰るR-指定たち

 バトル前の煽りVTRで、バチスタはFORKの印象を以下のように語った。

「ライムの完成度は高いですよね。でも、低いときは低いみたいな。踏み勝つ」

 とにかく、このバトルが半端じゃなかった。先攻はFORKだ。

“俺と踏み合いたい”つってたな
このバトルがただの踏み合いだと思ってんだったら
お前には付き合いきれねぇ
俺とは釣り合いが取れねぇ そういう事だ

 韻を踏むことがアイデンティティのバチスタに対し、「俺は違う次元にいる」とカマしに行ったFORK。一方、バチスタは声質の問題もあるのか、語尾が聴こえづらいときがある。かむ箇所も多く、緊張する彼のメンタルが伝わってくる。何より、明らかにいつもより踏めていない。横浜の大先輩の圧にやられているのだろうか? 

 対するFORKは、恐ろしさが増す一方だ。特に、2バース目は芸術の域だった。

これはオーディションだぞ
お前にとって唯一のチャンスだ
だが言っておく お前じゃまだ無理
辛口なようだが これは真実だ カラクリはない
全てかなぐり捨てて荒ぶりながら突っ込んで行くしかない
お前は残念ながら全部 空振りしてるよ
風向きは全部俺の方に向いてる 間違いねぇ
お前の茅葺き屋根は一発で吹き飛ぶぜ

「まだ無理」「辛口」「カラクリ」「かなぐり」「荒ぶり」「空振り」と踏み続け、「風向き」は俺の方を向き、お前の「茅葺き」屋根は吹っ飛ぶ、で締めるという辛辣さとキメ細かさ。8つすべてをaauiで踏み続けながら、日本語として不自然な箇所はどこにもない。最初から最後までバチスタをしっかりdisっているし。その完璧さから、筆者はテレビを見ながら夜中に「ウォーッ!」と大声を出してしまった。ここまでくると、FORKは踏みの変態である。

 ワイプを見ると、モンスタールームも同じテンションのようだ。FORKのバトルになるとモンスター全員がただのヘッズと化し、興奮気味に手を突き上げるのは常である。それほどFORKのライムはすごい。

「茅葺き屋根」の瞬間、すでに雌雄は決していた。FORKのクリティカル勝ちである。踏みがアイデンティティのラッパーが「踏み合いには付き合いきれねぇ」と宣言したFORKに踏み負けたのだから、もはやどこにも勝ち目はない。まあ、今回のFORKの強さの前には仕方なかった気もするが……。放送翌日の4日、バチスタは「フリースタイルダンジョン惨敗しました」「にしてもForkさん強すぎるだろ。。。」という無念のツイートを発信している。

 あらためて今回のバトルで実感したが、3代目ダンジョンを攻略するのは、やはり無理ゲーだと思うのだ。ライムが武器の若手に、その属性のトップ・FORKをぶつけにいく番組の采配はひどすぎる。ほかにも異なるスタイルのモンスターが勢ぞろいしているし、このまま誰もR-指定へたどり着けない可能性だってある。というか、モンスターを倒したとしても、最後の相手はR-指定なのだ。絶望的じゃないだろうか? ちなみに、3代目になってからFORKはまだ負けなしだ。

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