阿佐ヶ谷姉妹だけで1時間40分! 『ヒルナンデス!』は芸人自由区?
#友近 #ヒルナンデス! #テレビ日記 #中川家 #阿佐ヶ谷姉妹
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(3月1~7日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
阿佐ヶ谷姉妹・江里子「今は胃カメラも寝てる間に大丈夫なんですって」
ふと、阿佐ヶ谷姉妹のことを考える。
渡辺江里子と木村美穂、2人の中年女性からなるお笑いコンビ。実際には姉妹ではないけれど、メガネにおかっぱヘアーというよく似た風貌と雰囲気から姉妹を名乗る。
ちょっと背の高い江里子さんが姉役で、美穂さんが妹役だ。ネタでは江里子さんがツッコミ、美穂さんがボケを担うことが多い。けれど、バラエティ番組ではしっかり者の姉と少し抜けたところのある妹として振る舞っているようにも見える。叶姉妹と、姉妹の役割が逆だ。
彼女たちを最初にテレビで見たのはいつだったか、はっきりとは覚えていない。『M-1』の事前番組で流れる”予選にはこんな芸人もいました”みたいなVTRで、ピンクの衣装に身を包み歌っているのを見たのが最初だったかもしれない。若い男性芸人たちに混ざった中年女性の姿。そのサブリミナル効果は大きい。彼女たちと髭男爵は、M-1予選映像出身だと個人的には思っている。
で、ときどき、彼女たちについて考えてしまうのだ。なぜ面白いんだろうと。
そんな阿佐ヶ谷姉妹が、4日の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に出演。岡山県倉敷市を訪れ、ロケしていた。2時間の放送中、スタジオでのトークやCMなどを挟みつつも、彼女たちのコーナーが放送されたのは約1時間40分。これほどの時間を阿佐ヶ谷姉妹に費やした番組が、これまであっただろうか? ファン歓喜である。
ロケは、川べりに座り会話する 2人の映像で始まる。
江里子「今は胃カメラも寝てる間に大丈夫なんですって」
美穂「そうなの?」
画面には「おばさんあるある 旅先でも健康の話をしがち」とのテロップが出る。いや、本当にそれが「おばさんあるある」なのかどうかは知らないけれど、阿佐ヶ谷姉妹がやっていると、そうなのかもしれないと思う。世の中に流通する「おばさんあるある」は、彼女たちが最終的にハンコを押して決裁しているように感じる。
姉妹のロケは、そんな「おばさんあるある」と、ちょっとしたハプニングを挟みながら、淡々と進んでいった。岡山銘菓きびだんごを食べて「やわやわしててねぇ」とリポートする江里子さんと、牡蠣 の出汁 の試飲を見つけて「三度の飯より好きな試飲よ」とつぶやく美穂さん。ロケ中、なぜか死んだ小さい虫が口元に張り付いている江里子さんと、バカラのグラスをおっかなびっくり触る美穂さん。全速力で走る江里子さんと、置いていかれる美穂さん。そして、最後はメガネを曇らせながら露天風呂に入る2人――。
何か大きな出来事があるわけでもない。派手なボケがあるわけでもない。クスッと笑える日常系のエッセイを読んでいるかのようだ。やはりボケとツッコミのやりとりというよりも、ある姉妹の普段の会話をのぞき見ている感覚に近いのかもしれない。
だからだろうか、最近は阿佐ヶ谷姉妹がこちらの日常の隙間にも染み出してきている。コンビニから歩いて帰りながら、風呂で髪を洗いながら、洗濯物をたたみながら、ふと、彼女たちの面白さについて考えてしまっているのだ。
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