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日刊サイゾー トップ > 社会  > 新天地がみせた“土下座”の裏側

未曾有の混乱で大躍進!? 韓国の新興宗教 ・新天地が批判殺到でみせた“土下座”の裏側

新天地が築いた資産は500億円以上、韓国政界への工作も?

 新天地は1984年に創立された新興宗教だ。信徒数は約24万人(教団側の発表)で12の宗派を持つ。

 そのトップがイ・マニ氏だ。イ氏は戦前の1931年生まれ。1957年にハンセン病の治療のために天父教伝道館に入信。その後、さまざまな新興宗教を渡り歩き独立し新天地を創立した。いわば、新興宗教の中で育ったエリートである。補足までに、最近ではイ氏が朝鮮戦争に参加した有功績者であるという事実も明らかになっている。

 新天地では宗派毎に違いはあるが、基本的に1日2時間、週4日の教理教育を6ヵ月間にわたり受けた“教育生”のみが信徒として登録される。鍛え上げられた熱心な信徒が多いだけに勧誘活動も非常に攻撃的で、業界内では既存のキリスト教系団体を乗っ取りながら外形を拡大しているとの噂もある。なお教団が信徒から上納された資金で築いた資産は現在500億円以上と試算されている。

 韓国社会では2000年頃まで統一教会が最も警戒すべき新興宗教とされてきたが、昨今では新天地がその座を奪いつつある。というのも、その勢力拡大に併せるように、政界への工作や信徒への暴力などさまざまな疑惑が浮上しており、また信徒に対して休学や休職を強要するなど社会問題のひとつとして認識され始めているからだ。韓国は戦前・戦後を通じて新興宗教がひしめき合う“レッドオーシャン”として世界的に有名となったが、現代においてその界隈の筆頭が新天地なのである。

 社会不安が増すと、さまざまなものが湧いて出てくる。変な法律、独裁を称賛する世論、転売ヤー、そして新興宗教である。

 今回、世間に向けて謝罪した新天地だが、内々では新型コロナウィルスという“機会”を逃さず信徒拡大に乗り出すはずである。過去に、韓国で肥大化した新興宗教は必ずといっていいほど日本にも上陸し勢力を拡大してきた。対岸の火事で済めばよいが……新型コロナウィルス収束までは警戒が必要かもしれない。

河 鐘基(ジャーナリスト)

リサーチャー&記者として、中国やアジア各国の大学教育・就職事情などをメディアで発信。中国有名大学と日本の大学間の新しい留学制度の設置などに業務として取り組む。「ロボティア」「BeautyTech.jp」「Forbes JAPAN」など、多数のメディアで執筆中。著書に「ドローンの衝撃 」(扶桑社新書) 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」 (扶桑社新書)、共著に「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」 (光文社新書)など。

Twitter:@Roboteer_Tokyo

はじょんぎ

最終更新:2020/03/08 22:00
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