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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム >  パンドラ映画館  > 元NHKアナ堀潤が見た「分断」
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.573

NHKを辞めた堀潤氏が映し出す分断された世界 一人称単数で語る『わたしは分断を許さない』

分断を生み出しているものの正体とは?

シリア内戦を逃れ、ヨルダンの難民キャンプで暮らす11歳の少女・ビサーンちゃん。「将来はお医者さんになりたい」とカメラに向かって夢を語る。

 でも、なぜそこまでして自腹を切り、貴重な時間を削ってまで、堀潤氏は世界各地へと取材に向かうのだろうか。この疑問に対する答えは、本作に登場するジャーナリスト・安田純平氏のコメントがいちばん的確に思える。シリアで武装勢力に3年以上も拘束された挙句に帰国後は大バッシングを浴びた安田氏は、カメラに向かって取材を続ける理由をこう語っている。

「地理的に遠いところだから人が死んでも気にならないという人は、隣近所で人が死んでも気にしないと思う。それでは人間社会は崩壊してしまう」

 社会の分断を生み出しているのは、実は軍人や政治家たちではない。人々の無関心さが、多くの分断を招き、その空白に境界線が引かれ、人々の孤立を生み出していたのだ。堀潤氏が撮ったドキュメンタリー映画『わたしは分断を許さない』は、世界情勢に無関心でいることの危険性を訴えている。普段は温和な堀潤氏は「わたしは許さない」と主張する。そんな彼の投げ掛けた言葉を、あなたはどう感じるだろうか。映画の上映期間中、なるべく上映館に足を運び、観客ひとりひとりと対話したいと堀潤氏は語っている。

『わたしは分断を許さない』
監督・撮影・編集・ナレーション/堀潤
プロデューサー/馬奈木厳太郎 脚本/きたむらけんじ 音楽/青木健 編集/高橋昌志
配給/太秦 3月7日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
(c)8bitNews
www.bundan2020.com

最終更新:2020/03/05 20:00
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