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日刊サイゾー トップ > 社会 > メディア  > 国立感染症研究所が異例の反論

「北海道コロナ検査拒否」報道に国立感染症研究所が異例の反論をした真意とは?

岡田晴恵・白鴎大教授のテレ朝での発言に猛反論も?

 さらに、文書では、「本所が『検査件数を抑えることで感染者数を少なく見せかけようとしている』、『実態を見えなくするために、検査拡大を拒んでいる』といった趣旨の、事実と異なる内容の記事が散見されます」とした上で、「こうした報道は、緊急事態において、昼夜を問わず粉骨砕身で対応にあたっている本所の職員や関係者を不当に取り扱うのみならず、本所の役割について国民に誤解を与え、迅速な対応が求められる新型コロナウイルス感染症対策への悪影響を及ぼしています」と一部報道に対する反論を行っている。

 これらは、テレビ朝日の番組で元同研究所研究員だった岡田晴恵・白鴎大教授が関係者から、「『このデータはすごく貴重なんだ。地方衛生研究所から上がってきたデータを全部、同研究所が掌握する』などと聞いた」と告発したことについて取り上げたものだろう。

 つまり、岡田教授は、感染データを同研究所が掌握できなくなるため、PCR検査の民間委託をやらせないようにしているというという趣旨の指摘を行った。

 これに対する同研究所の反論は、「粉骨砕身で対応にあたっている本所の職員や関係者を不当に取り扱う」ものであり、「迅速な対応が求められる新型コロナウイルス感染症対策への悪影響を」及ぼすという少々見当違いのものとなっている。

 同研究所のように国立機関が独自に反論コメントを発表するのは、非常に異例なことだが、実態として患者へのPCR検査が進んでいないのは事実だ。韓国などと比較すれば、日本のPCR検査実施がいかに低水準かは明らかだろう。

 PCR検査が進まないことの責任の押し付け合いのような“泥仕合”に労力を使うよりも、いかにすれば軽症患者に対してもPCR検査を実施できるかに全力を集中して欲しいものだ。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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Twitter:@tohrusuzuki

鷲尾香一の ”WHAT‘S WHAT”

わしおこういち

最終更新:2020/03/05 12:12
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